4月の九州なでしこサッカー大会長崎県予選で初優勝を飾り、1枠の九州大会(11、12日・島原市)出場権を獲得した活水女大。「楽しく厳しく」をモットーにした創部5年目のチームは、九州制覇、そして全国初勝利へ向けて日々のトレーニングに汗を流している。
練習は週末の試合を含めて週5日。談笑しながら準備をする楽しげな雰囲気は、ピッチに入ると一変する。激しくボールを奪い合い、大声の指示が飛び交う。本県女子チームの一員として2014年の長崎国体にも出場した就任4年目の阿部麗監督は「オン、オフを切り替え、楽しくコミュニケーションしつつ厳しく切磋琢磨(せっさたくま)する環境」を理想とする。
創部当初、未経験者が多かったチームは、4年前から本格的に強化を開始。今年4月に第1期の特待生2人が4年に進級し、同時に5人の1年生を迎えた。現在の部員数は16人まで増え、全員がサッカーの特待生になった。昨年までは大会出場人数ぎりぎりで活動してきただけに、4年生で主将の山川紗香は「メンバー争いが激化して、一気に意識が高まった」と部の成長を実感している。
チームの強みは、楽しく厳しい練習で培ったコミュニケーション力。ピッチ上で先輩後輩の壁はなく、積極的に意見を交わす。1年生のMF徳留佑紀は「学年関係なく高め合えるのがここの魅力。もっと成長したい」と意欲的だ。
基本のシステムは4-4-2。攻撃は正確なクロスが持ち味の徳留、センスのあるMF宮園華らを中心に素早く展開する。中盤の軸はボランチの山川。同じ4年生のDF岩間華那との連係でゲームメークする。守備陣は経験豊富な岩間が統率。体幹の強いDF小島聖理奈らでラインを固める。
2017年から出場している全日本大学女子選手権(インカレ)は2年続けて無得点で初戦敗退。その悔しさを知る山川と岩間は「全国出場ではなく、勝利を目指せるレベルまでやっとたどり着いた。ここからが本番」と大学最後の1年に強い思いで臨む。阿部監督は「強化が形になってきた。九州から全国で結果を残し、県内外の女子サッカーを盛り上げたい」と躍進を期している。