階段、傾斜で電動車いすの性能競う 川崎で国際大会

優勝したスイスのラッパースビル応用科学大学のチーム =川崎市川崎区のカルッツかわさき

 先端技術を用いて開発された補助器具を実際に障害者が使って、さまざまな競技に挑む国際大会「サイバスロン」の電動車いす部門が5日、川崎市川崎区のカルッツかわさきで開かれた。ロシアやスイス、香港、日本の4カ国・地域から大学やベンチャー企業の8チームが参加。階段や傾斜地などのコースを車いすで走り、性能を競った。

 サイバスロンはサイバーとアスロン(競技)を組み合わせた造語。2016年にスイスで初の国際大会が開かれた。電動義手や電動外骨格など6部門があり、20年の第2回大会の前哨戦として今年、部門別の大会が各国で開かれている。

 日本での開催は初めてで、電動車いすシリーズ日本2019実行委員会の主催。50メートル弱のコースには、でこぼこ道や6段の階段、電動アームを使っての扉の開閉など六つの課題が設定され、8分以内でクリアすることが求められる。

 各チームは、キャタピラを用いたりタブレット端末で操縦できたりする特製の車いすを持参して挑戦。優勝したスイスのラッパースビル応用科学大学の選手は「チームワークで達成できた。人生の中でもっとも素晴らしい瞬間だ」と喜びを語った。実行委員長を務めた山田長満川崎商工会議所会頭は「この競技は日常生活に使う課題を取り入れている。障害のある人を社会がアシストできるようロボット工学など先端技術を活用してもらえれば」と話した。

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