ルクレール、チームオーダーには「納得」と語るもフェラーリF1内での序列を変えたいと願う

 シャルル・ルクレールは、セバスチャン・ベッテルを優先するというフェラーリF1の現在のポリシーを理解しているものの、このヒエラルキーを変えようと決意しているという。

 シーズン開幕前、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはドライバー同士が競い合うことを許可すると明言していた。しかし状況が“50-50”の場合には、「より経験が豊富でタイトル挑戦の可能性が最も高い」ベッテルに優先権があるとしていた。

 ビノットはこのスタンスを繰り返して口にしてきており、開幕後の3戦ではピットウォールからチームオーダーを発令するなど、実際に行動にも移してきた。ただし最も顕著だったのは、中国GPの序盤に、ベッテルが逃げるメルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスを追えるよう、順位を明け渡すよう指示したことだった。

 しかしベッテルはメルセデスとの差を縮めることに失敗。後退を命じられたルクレールはマックス・フェルスタッペンに捉えられてアンダーカットされ、4位を奪われる結果となった。

 これまでのところチームオーダーはルクレールにとってストレスの種になっているが、このことが、早い段階でチーム内での序列を変えたいという彼の原動力になったと言える。

「コース上で自分に何ができるのかを証明しなければならない。そうして、いつの日かシチュエーションが変わるといいね」とルクレールはAuto Motor und Sportに語っている。

「どのドライバーとも同じように、僕は最速でありたいと思っている。ドライバーとして受け入れがたい結果になったこともあるとはいえ、これまでの決定にはすべて納得している」

「僕の隣には4度のチャンピオン獲得経験を持つ、フェラーリ5年目のドライバーがいるんだ。現状でヒエラルキーがあることは分かっているけれど、それを変えるためなら何だってするよ」

優先されているドライバーが速さを証明できない場合、ポジションを譲ることで、より公平になるのではないかと聞かれたルクレールは「ある程度までは」チームの指示に従うと話している。

「分からないな。そんなことはまだ考えたことなかった」

「ピットウォールのクルーたちは、レースをより俯瞰で見ている。だからある程度までは、自分に要求されたことをしていくつもりだ」

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