水族館プロデューサー・中村元~どうやってジュゴンを人気者にしたか

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、水族館プロデューサーの中村元が出演。水族館プロデューサーの仕事について語った。

黒木)今週のゲストは水族館プロデューサーの中村元さんです。
水族館プロデューサーというとても夢のある肩書きですが、もともとお魚が好きだったのですか?

中村)いえ、全然そんなことは無くて、もともとどころか、いまもそんなには好きではありません。食べるのは好きですが。

黒木)でも水族館プロデューサーということは、水族館をプロデュースしているわけですよね?

中村)いままでも10ヵ所以上、魚を飼うのではなく、展示を見せる、生物を見せるときにどうするかということを考えて来ました。水族館の場合は生物だけではなくて水もあるではないですか。だから水槽をどのように見せるのが良いかということを考えました。

黒木)水槽をデザインだとか。

中村)それもありますね。水槽のデザインもありますし、勿論大きさもあるし、どんな生物を入れたら、どのようにしなくてはいけないかとか、そういう環境を見せることも含めて考えています。どんな水族館にすればお客さんがたくさん来てくれるか、どのくらい満足してくれるかということです。

黒木)鳥羽水族館に入社されて、そこが水族館との出会いになったわけですか?

中村)そうですね。それまで水族館にはほとんど行ったことがありませんでした。

黒木)どうして入社されたのですか?

中村)メディア関係の方に行きたかったのですが、勉強もしていないし箸にも棒にも掛からない。水族館は何かを人に伝えるものだから、「これもメディアやん」と思って。

黒木)ある意味エンターテインメントですよね。

中村)ここで何とかやって行けると思ったら、魚のこととか動物のことに詳しい連中ばかりなわけですよ。いきなり負け組で。ここでこそ自分の得意なことを使ったら、みんな飼育することが大事みたいなところがあったのですよね。飼育しているついでに見せているみたいな感じで。みなさん、魚が好きで仕方ないわけだから。

黒木)それで、まず最初に何をなさったのですか?

中村)あまり人気のなかった生物を人気が出るようにする、あるいは来てくれないお客さんをどうやって呼べるかということを考えました。
人魚のモデルになったジュゴンはイルカと違う海獣類です。それにはジュゴンとマナティという種類がいます。彼らは人魚のモデルであるにもかかわらず、それほど知られていないのです。だから「テレビに出したほうが早いな」と考えました。生物をタレント化すると、みなさん「こんなものがいるならば1度観に行きたい」と来てくれます。でも、テレビに出すためにはどうしたらいいのか。そこで、自分で面白い映像を撮ってテレビ局に送ったのです。そしたら使っていただきまして、すぐにお客さんが増えました。

黒木)つまり、投稿したわけですね。

中村)テレビ局のカメラマンに自分がなって、いい映像を撮っては渡すということをしました。ちょうどそのころ、動物番組がヒットしていた時代で、その動物番組では必ず流されました。

黒木)それは三重県の鳥羽水族館で撮った映像が地方局ではなく、全国ネットで流して下さっていたということですか?

中村)はい。

黒木)最初は飼育係だったのですよね?

中村)最初はアシカのトレーナーをやっていました。アシカとかアザラシは哺乳動物です。顔を見てもらうとわかりますが、アシカは犬に似ています。アザラシは猫に似ています。アシカの担当になると、もれなくペンギンも付いて来るのですが、ペンギンは鳥です。僕は中学のときに手乗り文鳥を飼っていました。同じです。

黒木)とにかく、哺乳類と鳥だったら飼育できるぞということだったのですね。

中村元/水族館プロデューサー

■1980年、成城大学卒業後、(株)鳥羽水族館に入社。アシカトレーナーから企画室長、新鳥羽水族館プロジェクトの責任者をへて、副館長に。
■2002年、鳥羽水族館副館長を退任、退職。新江ノ島水族館プロジェクトのアドバイザーに。
■現在は新江ノ島水族館、展示監督。東京コミュニケーションアート専門学校教育顧問(ドルフィントレーナー学科講師)。

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