IMSA第4戦:モントーヤ組アキュラDPi、マツダとの一騎打ち制し地元ミド・オハイオで今季初勝利

 5月5日、アメリカ・オハイオ州のミド・オハイオ・スポーツカーコースでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦ミド・オハイオが行われ、アキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05(ファン・パブロ・モントーヤ/デーン・キャメロン組)が2時間40分の決勝レースを制した。

 2018年シーズンからIMSAシリーズのカレンダーに加わったミド・オハイオは、最高峰カテゴリーであるDPiクラスと、FIA-GT3カーで争われるGTデイトナ(GTD)クラスに参戦するアキュラのホームコースだ。

 同サーキットでは昨年、チーム・ペンスキーのアキュラARX-05とマツダチーム・ヨーストのマツダRT24-Pが、ともにシリーズ初優勝をかけて激突し、前者がこの戦いに勝利している。あれから1年後、両者はふたたびトップ争いを繰り広げることとなった。

 五月晴れのドライコンディションで迎えた決勝は、前日にコースレコードタイムを更新してポールポジションを奪った77号車マツダRT24-Pに対して、ペンスキーの7号車アキュラARX-05を駆るエリオ・カストロネベスがフォーメーションラップから執拗に牽制を仕掛けるなかでスタートが切られる。

 しかし、この牽制は不発に。77号車マツダを操るオリバー・ジャービスが落ち着いて好スタートを決めたほか、7号車アキュラは後方3番手からは1コーナーでインを突いてきたキャメロンの6号車アキュラにオーバーテイクを許してしまう。

 さらに、7号車は55号車マツダRT24-Pと接触すると、マスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rとも接触。これにより6番手に順位を下げるとともに、右フロントフェンダーを大きく破損させてしまった。

 オープニングラップの混乱をよそにトップを守った77号車マツダは徐々に後続へのリードを広げていくが、スタートから10分後、ジャービスがトラフィックに引っかかったタイミングで6号車アキュラがこれに接近。さらに、6号車を駆るキャメロンはジャービスの隙をついてトップに躍り出ることに成功する。そこから25分後に始まった1回目のルーティンピットタイミングを終えた後も、6号車アキュラがトップの座を守った。

 しかしスタートから45分後、6号車アキュラの背後に迫ったジャービスは、キャメロンから代わったモントーヤがトラフィックに詰まったのを見逃さず、一気にオーバーテイクを決めてみせる。これで再度トップに立った77号車マツダだったが、抜かれたモントーヤも離されることなく追随していく。

 スタートから1時間17分、ライバルに先んじて77号車マツダが2度目のピットインに入ると、この翌周に6号車アキュラもピットへ。DPiクラス初優勝を目指すマツダはここで順位を守りたかったが、モントーヤが77号車マツダの前でコースで復帰し、みたびリーダーチェンジ。2台のトップ争いはそのままレース終盤戦まで続いていく。

■マツダチーム・ヨーストがダブルポディウム獲得

IMSA第4戦ミド・オハイオのスタートシーン。77号車マツダRT24-Pが好スタートを切る
スタート直後の混乱で右フロントフェンダーを失った7号車アキュラARX-05
第4戦ミド・オハイオでデビューしたコンパス・レーシングの76号車マクラーレン720S GT3
コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.R

 スタートから2時間、フィニッシュまで40分となったところでアキュラとマツダが同時にピットインするも、ここでは順位は変わらず。また、コア・オートスポーツが走らせる54号車ニッサンDPiのスタックによって導入されたフルコースコーション明けのリスタートも、モントーヤが順位を守ってみせ、6号車アキュラはそのまま2時間40分後のチェッカーをトップで受けることに成功した。

 ジャービスからトリスタン・ネヌスにつないだ77号車マツダはトップから2.022秒差の2位。3位にはウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rとの表彰台争いを制した55号車マツダRT24-Pが入り、マツダがダブルポディウムを達成している。

 今季限りでのワークス活動終了がアナウンスされたフォードが属するGTル・マン(GTLM)クラスは、シボレーとポルシェがレース序盤から首位争いを繰り広げ、スタートから2時間の時点でトップに立ったポルシェGTチームの912号車ポルシェ911 RSR(アール・バンバー/ローレンス・ファントール組)がクラス優勝を飾った。

 2位にはコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.Rがつけ、ポルシェのもう一台、911号車ポルシェが3位となった。LMP2クラスはPR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソンが、ライバルの戦線離脱により独走での勝利を収めている。

 GTDクラスではマイヤー・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3 Evoがレースの大半をリードするも、2019年シーズンから新規参戦を開始したエイム・バッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3(リカルド・ハイスタンド/ジャック・ホークスワース組)が終盤にNSXを逆転しポール・トゥ・ウインを達成。

 この勝利はエイム・バッサー・サリバンの初勝利となった他、レクサスRC F GT3にとってのミド・オハイオ2連覇を決めるものとなっている。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第5戦デトロイトは5月31日~6月1日、ミシガン州デトロイトのベルアイル・パークで行われるインディカー・シリーズとの併催イベントだ。

2018年の7号車に続いてミド・オハイオ連覇を達成したアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05
2019年IMSA WSCC第4戦ミド・オハイオ決勝結果
PR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン
ニッサンDPi(左)とカラーリングが変更された66号車フォードGT(右)
GTDクラスポールからスタートする14号車レクサスRC F GT3
GTDクラスウイナーとなった14号車レクサスのリカルド・ハイスタンドとジャック・ホークスワース
最終ラップまで再逆転を狙うも2位となったマイヤー・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3 Evo
GTLMクラスウイナーとなった912号車ポルシェ911 RSR

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