ビニャーレス、MotoGP第4戦スペインGPで獲得した今季初の3位表彰台。「優勝したかのように感じる」

 マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がMotoGP第4戦スペインGPで3位に入り、2019年シーズンとしては自身初の表彰台を獲得した。ビニャーレスは2018年第18戦オーストラリアGP以来のポディウム登壇を、「優勝したかのように感じる」と表現する。

 ヨーロッパラウンドの幕開けとなるスペインGPが行われるヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトは、ヤマハにとって苦手なサーキット。ビニャーレスは3回のフリー走行で総合10番手以内に入ることができず、予選をQ1から挑んだ。これはチームメイトのバレンティーノ・ロッシも同様だった。

 ビニャーレスは予選でQ2へ進出し、5番手を獲得。ただ、これには理由があった。Q1から予選に挑んだビニャーレスは、そのためにアタック用のニュータイヤの残りがリヤ1本しかなかったのだ。

 ただ、ビニャーレスはレースを想定した走行を行うフリー走行4回目では、セッティングを大きく変更。その結果、決勝用のセッティングでいいペースをつかむことができたという。決勝レース躍進の兆候はすでに見えていたといえる。

 決勝レースでビニャーレスは、序盤から4番手、5番手付近を走行。ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がリタイアを喫したのちはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)をとらえて3番手に浮上すると、ミッション・ウィノウ・ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニロ・ペトルッチに迫られながらもポジションを守り切った。

終盤、ビニャーレスはドゥカティのドヴィツィオーゾの追い上げを振り切った

「ドヴィ(ドヴィツィオーゾ)とペトルッチが後ろにいるとわかったとき、『ドヴィは攻めてくる、厳しいな』と思ったよ。だから僕も、最大限に攻めたんだ。正直なところ、終盤はタイヤが消耗していて、厳しかった。あと数周あったらどうなっていたかわからない」

 終盤はかなり厳しい戦いだったと語るビニャーレス。そうして獲得した3位に、「表彰台を獲得して、優勝したかのように感じるよ」と、喜びを表した。

■ロッシがスタート直前まで悩んだタイヤ選択

「ともあれ、終盤のバイクはとてもよかったから満足だよ。こういう走りができるということを証明することが大事だったんだ。僕たちも自信を取り戻すことができた。特に、フロントタイヤについてね」

「スタートでポジションを失わなかったから、本当に満足している。Q2へのダイレクト進出を逃したけれど、それからバイクを大幅に改善できたんだ」

 ビニャーレスは2019年、開幕戦からロッシの後塵を拝し、ここまで苦戦を強いられていただけに、価値ある表彰台になったのだろう。

 一方、予選日まで苦戦を強いられたロッシも決勝レースでは躍進を見せた。予選ではQ2進出を逃し、まさかの13番手。しかしレースでは大きく順位を上げ、最終的に6位でフィニッシュした。

13番手から6位フィニッシュを果たしたロッシ

 ロッシはスタート前、タイヤ選択に頭を悩ませたといい、結果的に前後にハードタイヤを選択。この選択についてロッシは「(フロントにミディアムタイヤを選択した)マーべリックがよかったから、ミディアムタイヤでレースしていたらどうなったか、気になるところだね」と語っている。

「今日のレースペースはとても速かった。レースの総合タイムが去年よりも25秒も速くなっていたんだよ。トップとの差も少なく、バイクにはいい感触を感じていたし、特に最終ラップでは僕はとても速かったんだ」と語るロッシ。最終的にいい印象で、スペインGPを締めくくることができたようだ。

 ビニャーレスとロッシ、ふたりの結果を合わせれば、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPはここ3戦で連続表彰台に立っていることになる。2019年シーズンに挙げる優勝は、間もなくかもしれない。

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