理工学部から演技の世界へ 俳優 藤原明子さん

藤原明子さん ニューヨーク出身。慶應⼤学理工学部システムデザイン工学科卒。2010年に再来米し、アクターズ・スタジオ・ドラマスクールを卒業後、映画や舞台で活動中。www.akikofujiwara.com

大学では演技とは別の学部だったそうですね。

理工学部で建築を勉強していました。演技に進もうか迷った末の決心でしたが、在学中にやっぱり演技の世界に進もうと決めて、演技の養成学校に通い始めました。

【推薦者の言葉】 福井一夫さん 「ジャパドリ」製作アドバイザー 「ジャパドリ」の制作では、彼女はいつも優しさや明るさを失わず、撮影や打ち合わせなど、さまざまな局面で周りの雰囲気を良くしてくれました。過酷な撮影現場ではそういった一面も重要であり、彼女の魅力の一つです。

演技に興味を持ったきっかけは何でしたか?

小学校の時に映画「タイタニック」を観て、自分もこんな規模の作品の一部になりたいなと思ったのがきっかけですね。

また大学3年生の時に養成所で取った演技のワークショップで、演技は、いかにかっこ悪い部分をさらけ出すか、ありのままの自分をどう出すかが大事だと学び、それがすごく面白くて、やりたいという気持ちが強くなりました。 

来米のきっかけは?

ニューヨーク生まれで、5歳で日本に引っ越したせいか、アメリカに行きたいという気持ちがずっとありました。それに、アメリカの作品は、よりリアルなんです。それは演技のメソッドがあるからで、その元がニューヨークにあると知って来米し、アクターズスタジオに入学しました。

Keitlyn Samuel演出の舞台「Top Girls」に出演したときの一幕

オーディションは常に受け続けていますか?
はい、でも打率は低いですね。落ちても気持ちを切り替えて次に行くようにとよく言われていましたが、慣れるまでに時間がかかりました。最近は、オーディションで演じる際の役作りを楽しむようにしています。日本人はみんな顔見知りなので、会うと同窓会みたいに盛り上がったりして(笑)。情報交換もします。

2016年立ち上げたプロダクションカンパニー、「a³(エーキューブド) story」の企画第一弾として行った、ステージリーディング

俳優をやっていて一番うれしい瞬間は?
私の作品を観た人が共感してくれること。自分が表現しようとしていなかったところで、「あのシーンでこういう風に思った」とコメントをもらうと、思いがけず表現できていたのだと感じ、さらにうれしいです。

大変なことは?
スケジュール管理が一番大変かもしれません。急に明日オーディションに行けと言われたり、予定が入って他の仕事ができなくなることもあります。

また、たとえ候補になっても、仮押さえをされたまま直前まで入るのかどうか分からないことが多々あり、結局リリースされて予定が全部空いてしまったりします。

ウェブドラマ「ジャパドリ」を制作中ですね。
ニューヨークで夢を追う日本人3人のストーリーで、私は女優の役で出演している他、プロデュース活動もしています。特に日本の人たちに見て欲しいので、日本語で上げる予定です。

もうすぐ公開のこのドラマを多くの人に観てもらい、シーズン2の制作につなげられるようにしたいです。また俳優として、スタジオレベルのものやネットワークテレビなどの作品に出演することが、今後1年の目標ですね。 

もっと先の目標としてはプロデュース活動にもさらに力を入れていきたいので、まずはショートフィルムを作って、フェスティバルに出品したいです。

オフの時はいつも、友達と飲みに行ったりご飯を食べたりして、気持ちを切り替えるようにしている

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