路線バスなどを運行する西肥自動車(西肥バス、佐世保市)は、新規高卒者の運転士採用を始めた。大型2種免許の取得は、21歳以上で普通免許などを取得後3年の経過が条件。このため大型2種免許を取得するまでの約3年間は社内で研修を重ね、運行に必要な知識を学ぶ。運転士の高齢化が進む中、安定的に若い人材を確保する狙い。
現在、同社の運転士は373人。50代が半数以上を占め、30代以下は1割程度にとどまる。中途入社する社員も40代、50代が多かった。
大型2種免許取得の費用は会社が負担する。取得までの期間は、路線や停留所の名前を覚えたり、バスの構造を理解するため整備部門の仕事を学んだりするなど、各部署で研修を続ける。運転士の研修は通常約2カ月間だが、長期間にわたって社員教育をできる利点がある。
4月にこの制度を使って“運転士の卵”として入社した佐世保市出身の小泉巴弥斗(はやと)さん(18)=佐世保実業高卒=は、唯一の存在だ。現在は本社に勤務し、利用者からの電話の問い合わせに対応する。半年間は社会人としての基礎を身に付け、会社に慣れる目的で内勤業務に当たっている。
車が好きで運転士に興味があった。特に高校時代から利用していた路線バスは、身近な乗り物だったことから志した。「若い世代が少なく、自分たちが頑張らないといけない。頼られる運転士になりたい」と力を込める。
今後は毎年1人以上の新規高卒者を採用する方針。担当者は「運転士の高齢化が進む中、継続的に若い力を取り入れるようにしたい」としている。