<再ブレーク盤> 石崎ひゅーい『ゴールデンエイジ』 懸命に生きるさまを、高い熱量で歌う

石崎ひゅーい『ゴールデンエイジ』

 菅田将暉への楽曲『さよならエレジー』の提供や、個性派俳優として注目される男性シンガーソングライターのミニアルバム。人気急上昇中のあいみょんがファンと公言していることで知っている人もいることだろう。

 全5曲、高い熱量のファンキーな楽曲が並ぶ。女性言葉で失恋の哀しみを叫ぶように歌う『あなたはどこにいるの』や、相手を励まそうととにかく言葉を並べまくった『マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン』、ただ愛していることを熱く歌いつくす『アンコール』など、どれも主人公の懸命に生きる様子で溢れている。『さよならエレジー』のセルフカバーも、ここでは愛と隣り合わせにある孤独や狂気が前面に出ているようだ。

 特に驚いたのは2曲目の『SEXY』。軽快なギターロックに乗せて相手の虜になっていくのだが、突然、西城秀樹ばりの情熱的な長台詞が入ってくる。この遊ぶような目一杯な感じからスガシカオを想起した。つまり、大器を予感させる。

 本作を聴けば、懸命に生きた方が悔いなく過ごせる気がしてくるはず。

(ソニー・通常盤1667円+税)=臼井孝

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