炎上機体見て嘲笑「うまい着陸。火がついてるけど」 41人死亡のロ事故、空港当局厳罰求める

By 太田清

6日、モスクワ郊外のシェレメチェボ空港で事故機を調べる当局者ら(タス=共同)

 ロシアでまた、痛ましい航空機事故が起きた。モスクワ北西部のシェレメチェボ空港で5日夜、アエロフロート・ロシア航空の旅客機スホイ・スーパージェット100が緊急着陸し炎上、乗客73人、乗員5人の計78人のうち41人が死亡した。 

 離陸から10分後に機体に落雷を受け、引き返したものの着陸に失敗。機長が着陸後にエンジンを停止せず、火災拡大を招いた可能性や、燃料を空中で捨てずに、ほぼ満タンに近い状態で着陸を試みたことが大火災を招いたとの指摘も出ている。 

 こうした中、空港内で働く地上職員とみられる複数の男女が、炎上する機体をモニターで見ながら事故を嘲笑する映像がSNSで公開され、空港当局が「厳罰を求める」と異例の声明を発表する騒ぎも起きている。 

 ニュースサイト「ズナク」などによると、ツイッターで公開された映像では、空港内の一般人立ち入り禁止区域で、複数の人物がモニターを見ながら「よく燃えているな」「ああいう着陸の仕方をしたら、死傷者がいるな」「どうして」「うまく着陸した。小さな火がついてるけどね」などと会話し、笑いが巻き起こる様子が録画されていた。映像にはモニターをスマートフォンで写真に撮る人物も写っている。

 

 これに対し、空港当局は「社会的良識や職業倫理に反した許されない行為」と非難した上で、現在、映像に映っている人物の特定に至っていないものの、判明した場合は厳罰するよう求める声明を発表。ツイッターの説明では「空港職員」となっていたが、当局によると、少なくとも空港会社や事故を起こしたアエロフロートの社員ではないという。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社