【行ってよかった海外旅行】実は世界有数の観光地であるポルトガルの魅力

実は世界有数の観光地といわれるポルトガル、日本人には距離がネックになっている!?

「日本人にとってメジャーすぎる国ではなくて、どこかいい旅行先はないかな」

と考えているあなた、ポルトガルはいかがですか。

実は世界有数の観光地といわれるポルトガル。ポルトガルが世界一の観光地である、とみなした賞(World Travel Awards)もあるのだとか。

ただ、例えばヨーロッパでは、フランス、イタリア、スペインなどの国々の方が日本人の旅行先としてはメジャーですよね。

ちなみに、ポルトガルは、『ヨーロッパ大陸の最西端』に位置する国(大西洋に浮かぶマデイラ諸島およびアソーレス諸島もポルトガル領)。いわば日本から見れば、ヨーロッパ大陸の、それも一番『向こう』というか、最西端の国ですから、その距離がネックになっているのでしょうか。

ただ、ヨーロッパの人々にとっては、ヨーロッパのたいていの首都から数時間で到着できるアクセスの良さも魅力のようです。筆者の知人には、フランスから女性1人で自宅から車でポルトガルに行って夏の間滞在した人がいます。感覚が違うのですね。

筆者はポルトガルに滞在したきっかけは、身内が住んでいたから。なので、下調べなどはあまりしていなくて、行く前はどんなところなのか具体的なイメージが湧きませんでした。

けれど、実際に訪れてみると、美しい景色、歴史と文化、温暖な気候、美食とワインなど、とても魅力的な観光地でした。英語も比較的通じますし、詳しくは後述しますが、シーフードやお米を使った料理が多いのもありがたい。

何より、独特の雰囲気があって、旅情をそそるのです。

ポルトガル。大航海時代の面影、時が止まっているような、少し怖いくらいの錯覚を覚えることも・・・

大航海時代に世界に名を馳せたポルトガル。栄華の面影が、建物や街並みからうかがえます。

同時代に繁栄した国や、その文化遺産は他の国にもありますが、ポルトガルには独特の雰囲気があります。

首都リスボンでも、当時の建築物を見たり、街歩きをしたりしていると、「その時代で時が止まっているのではないか」という錯覚を覚えることさえあります。大航海時代に時間旅行ができたような気持ちになる。

旅人にとってはうれしい旅情ですが、その錯覚は、たまに少し怖くなるくらい強いものだと、個人的に思いました。

リスボンの世界遺産に、ジェロニモス修道院、ベレンの塔があります。特に印象に残っているのがベレンの塔です。バスコ・ダ・ガマのインド航路発見を記念して、1515年から1521年にかけてマヌエル1世の命により建造されました。

監視塔が設置され、テージョ川河口を外敵から守る要塞の役目も果たしていたのです。ちなみに5層建築のうち、上部は王族の居室で、地下には水牢がつくられました。上部が王族の居室で、その地下が水牢、というのも凄い話ですね。

実は、筆者は現地で水牢の写真を撮ったのですが、後でなんとなく恐ろしくなって消してしまいました。

ポルトガル料理にはシーフードやお米もあり、日本人の口に合うといわれる料理

ポルトガル料理は、シーフードやお米を使ったものが多いのがうれしいです。

他の国にもそういう料理はありますが、違和感が少ない、日本人が食べやすい味という気がしました。そう感じる人は少なくないそうです。イワシを炭火で焼いたシンプルな料理など、デジャビュ現象かと思ったほどです。

ポルトガルでは塩、レモン汁、オリーブオイルで食べるという違いはあるのですが、筆者は、ヨーロッパの他の国で、「イワシは食べない」「そもそも魚がとれてもあまり食べない」「目のついた状態の魚を食べるのに違和感を覚える」という人たちに会ったことがあります。いずれも、日本にもっと近いヨーロッパの国の人たちです。

ポルトガルと日本は距離的にはこんなに遠い国なのに、似た料理がある。ポルトガルの地元で人気のある料理を、日本人が食べやすいと思う、というのは不思議ですね。

筆者が大好きなのがバカリャウのコロッケ(干しダラのコロッケ)です。

思わずビールを飲みたくなる味なのですよ。そしてこれも、日本にはありそうでない、でも食べやすいという点で、絶妙なさじかげんのエキゾチックさが味わえます。日本人、少なくとも筆者を喜びのあまり泣かせた料理です。

天ぷらはポルトガル発祥の料理だという説があります。とにかくポルトガル料理は、海外旅行が好きな人なら特に、食べてみて損はない料理かもしれません。

ポルトガルのグルメ。素朴なスイーツがいける、人も素朴な印象

日本でも有名なエッグタルト「パステル・デ・ナタ」。筆者も定期的に食べます。

あと、半熟カステラ「パン・デ・ロー」を、ブームになる前にポルトガルの田舎のお店で食べて、こんなにおいしいものがあるのか、と感動しました。

日本人が珍しかったのでしょうか。お店の女の子が、筆者たちの乗った車を、1人で、見えなくなるまで手を振って見送ってくれて、その笑顔が忘れられません。

ポルトガルは、人も素朴な印象を受けました。遠慮なく見られたこともありましたけれど、困ったのは一度だけ。身内の近所に住んでいた、小学生くらいの子どもに軽くからかわれたことがあったくらいです。

「この世のエデン」美しさ、新鮮さに衝撃。ポルトガルに来られて本当によかった、と思った街

前述のように、身内がいた、という理由で実はよくわからないまま滞在したポルトガルでしたが、シントラに来たとき、

「こんなに素晴らしい街、遠くても素晴らしい国に来られて、なんてラッキーだったのだろう」

と改めて思いました。

シントラは、詩人バイロンが「エデンの園」と讃えたそう。ユネスコの世界自然文化遺産にも指定された美しい町です。夏の避暑地として王侯貴族に愛され続け、その豊かな木々に囲まれた町並みは、ポルトガル人からはもとより観光客からも人気があります。

美しく彩色された部屋や巨大な2本の煙突をもつ「シントラ王宮」は市のシンボルで、そのほかの見どころとしては「ペナ宮殿」、「ムーアの泉」、「市庁舎」、「ムーア人の城塞跡」などがあります。

メジャーすぎる観光地や文化遺産は、写真や画像で繰り返し観てしまっていて、本物を見たときの感動が薄れることがありますよね。けれど、シントラは行くまで何も知らなかったので、その美しさ、新鮮さに衝撃を覚えました。

リスボンの北西約30kmあたりに位置します。本当におすすめです。

後日、元客室乗務員で今はマダムという女性とお話をした際、ポルトガル旅行を話題にしたら、

「あなた、シントラ行った?」

と言われて、こういう通な人にとってもシントラは魅力的な場所なのだと実感しました。

ロカ岬「ここに地終わり海始まる」遠いけれどまた行きたいポルトガル

ロカ岬は、ポルトガル中西部、大西洋に面する岬で、ヨーロッパ大陸の最西端です。

ポルトガルの国民的詩人ルイス=デ=カモンイスによる叙事詩の一節、

「ここに地終わり海始まる」

を刻んだ詩碑があります。

海外旅行が好きな人なら、きっと聞いたことがありますよね。筆者も現地のバスツアーで、ここには1人で行ったのです。日本という島国から、大陸を横断してここに来られたというのは、なかなかのことです。

海を見て、もの凄い郷愁を覚えました。日本ははるかかなた。

家を出てから数ヵ月間経っていたので、たまたまホームシックにかかっていたこともあるかもしれません。この時は1人でしたし、正直いってさみしかったのです。

もう一度、誰かと一緒に訪れたら、また違った気持ちがするのでしょうか。

ポルトガル観光局

https://www.visitportugal.com/ja/node/352879

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