【MLB】ヤンキース傘下3A加藤豪将は「本物か?」 米メディア特集、メジャー昇格は…

ヤンキース傘下3Aスクラントン所属の加藤豪将【写真:Getty Images】

地元メディアが特集「カトウはどこかの時点でブロンクスへの道を見出すだろう」

 ヤンキース傘下3Aスクラントンで打率.333、7本塁打、18打点と打撃の才能を開花させている加藤豪将内野手。地元メディアでは序盤戦の大活躍を高く評価し、「この好調が続けば、カトウはどこかの時点でブロンクスへの道を見出すだろう」と今季のメジャー昇格を予想している。

 ついに地元メディアも「Gosuke Katoh」の躍動を無視できなくなった。「ゴウスケ・カトウの序盤の活躍は本物か?」と特集したのはヤンキース専門メディア「ピンストライプ・アレー」だ。米ネットワーク「CNN」のプロデューサーを務めるジョン・グリフィン氏が、自身初の3Aでブレークしている加藤について執筆している。

 ヤンキースから2013年のドラフト2巡目で指名された加藤。同じドラフトで1巡目で指名されたのが、現在のヤンキースが誇る若きスーパースターだった。

 記事では「アーロン・ジャッジの影に隠れてしまうのは簡単だ。比喩としても現実問題としてもだ」と指摘。メジャー屈指のスラッガーとなった同期のジャッジと比較される難しさと向き合ってきた加藤は7年間マイナーで研鑽を重ねてきたが、昨季までの歩みについて特集では「ヤンキースのファームシステムの深みに埋もれてしまったマイナーリーグのキャリアを過ごしてきた」と振り返っている。

序盤の活躍は「継続困難」も…「カトウは見事なまでに期待に応えている」

 しかし、チームのプロスペクト(若手有望株)ランクトップ30からも外れた24歳は今季、打撃が開花。記事では「カトウは今季序盤、見事なまでに(昇格となったことから伺える)期待に応えている」と称賛している。セイバーメトリクスで用いられる総合的な攻撃の指標であるwRC+(Weighted Runs Created Plus)では、スクラントンが所属するガルフコースト・リーグで2013年シーズン以来、最高値となる「170」という凄まじい数値を記録していることも紹介している。wRC+はリーグ平均が「100」とされており、加藤の覚醒ぶりが如実となっている。

 そして、「今季の序盤の活躍が続くとするなら、カトウはどこかのタイミングでブロンクスへの道を見出すだろう」と分析。故障者続出のチーム状況で内野手としてアクティブ・ロースターに入っているウェイド、エストラーダの2人を打撃好調な加藤が追い抜くことになると特集では指摘しているのだ。

 7年目にしてヤンキースのトップチーム昇格を視界に捉えている加藤。記事では、内野ならどこでも守れる万能性があると評価する一方で、「ヤンキースファンは鵜呑みにするべきではない」「継続は困難」とも言及。かつてヤンキースのマイナーで活躍しながらもトップチームに定着できず、現在はレッズでプレーする韓国系米国人選手のロブ・レフシュナイダー内野手の例も持ち出している。だが、今季の覚醒について「ヤンキースファンは慎重ながらも楽天的になれる」とも指摘。加藤がメジャー昇格を掴むような活躍を続けられれば、ファンにとっては大きな楽しみの1つとなるだろう。

 メジャー40人枠に入っていない加藤には高い壁があることは確かだが、野戦病院状態のヤンキースのアクティブ・ロースターまで一気に駆け上がるのか――。猛アピールを続ける加藤は米メディアからも注目を集めている。(Full-Count編集部)

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