山岳フォトグラフ 飛騨・美濃紅葉三十三選

 泉鏡花(1873~1939)の戯曲に出てくる「夜叉ヶ池」は飛騨・美濃紅葉三十三選の中でも特に風光明媚な山である。標高1099mにある池は福井、岐阜の県境に位置しブナ林、高山植物に囲まれ、池には絶滅危惧種のヤシャゲンゴロウ等生息し又、10月の紅葉シーズンに成ると多くの登山者で賑わう自然の美しい所である。

夜叉ヶ池(1099m)
夜叉壁とヤマモミジ紅葉

 長浜市木之本町から国道303号を東北に進むと金居原集落を左に見て長い八草トンネルに入る。トンネルを出ると揖斐川町坂内村川上集落、そこを左に曲がり池の又林道を登り詰めると夜叉ヶ池登山口駐車場に到着する。最初は緩い登山道が続き幽玄の滝、昇竜の滝を過ぎ、右に夜叉壁が見える辺りからきつい登りになる。3㎞、90分で夜叉ヶ丸直下の池に着く。もうそこは別世界、紅葉の10月がお薦めの場所である。


西山 邦雄(にしやま くにお)

アマチュアカメラマン
山岳写真の会 白い峰会員
日本高山植物保護協会 会員

1948年滋賀県生まれ。15歳の頃より登山を始め、30歳を過ぎてから山岳風景や様々な高山植物を撮影するようになる。環境の変化などで自生が危惧される高山植物の保護活動にも加わる。

取材:2016年9月

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