上越市の中心市街地でクマ捕獲 高田公園でも目撃情報

©株式会社新潟日報社

上越市の市街地に現れ、木の上に登ったクマ。警察官らが警戒に当たる=9日午後0時半すぎ、同市西城町3
逃げ込んだ林の木の上で口を開けるクマ=9日午後0時半すぎ、上越市西城町3
クマが現れた上越市の街なか。左奥の林(同市西城町3)に逃げ込んだ。近隣は住宅が密集している=9日午後6時すぎ、上越市大手町より撮影

 9日午前6時半ごろ、新潟県上越市西城町3の路上で体長約70センチのクマ1頭が歩いているのを近所の住民が見つけ、上越署に通報した。上越署員や市職員、地元猟友会などが捜索し、近くの民家の庭木に登っているのを発見。市の依頼を受けた茶臼山動物園(長野市)の職員らが麻酔銃を撃ち、午後4時半前、市職員らが捕獲した。けが人はいなかった。

 現場はえちごトキめき鉄道・高田駅から約600メートルの住宅地。付近は小中学校や高校、幼稚園、病院などが密集しているほか、繁華街にも近い。

 市環境保全課によると、過去に高田地区での目撃情報はあったが、「今回のように実際に街なかに出没したケースは承知していない」とする。捕獲したクマは現在、市が委託する猟友会関係者に保護されている。後日、山に戻す方向。

 また、同日午後2時ごろ、上越市本城町の高田公園の高田城三重櫓(やぐら)付近でクマ2頭を目撃したとの通報が市に入った。市や上越署などが、公園の一部を封鎖して付近を捜したが、足跡などは見つからなかったという。

 市は9日夜から10日朝まで、市庁舎に職員を特別に配置し、徹夜で通報対応などに当たる。付近の学校では10日早朝から教職員らが登校時の見守りを行うほか、公園周辺を消防団がパトロールする予定。

◎白昼の街なか騒然 10時間の「大捕物」

 「まさかこんな街なかに」-。9日、突然現れたクマに白昼の上越市の街なかは騒然となった。発見から約10時間に及ぶ大捕物の末、ようやくクマは捕獲。現場近くには小学校などの公共施設も多い。けが人が出なかったことに、安堵(あんど)感が漂った。

 クマは逃げ込んだ民家の庭以外にも、近くを流れ市民の散策の場となっている青田川沿いや商店街を行き来していたとみられる。

 午前6時ごろ、商店街でクマと出くわした上越市大町の主婦(73)は「大きな犬かと思ったが、クマだと気付いて急いで逃げ帰った」と話した。同市大手町の無職男性(60)は自宅前の青田川にいるクマを目撃。「40年以上住んでいるが、こんな街なかで見たのは初めて」と驚く。

 クマは民家の木に登り、警察や市職員とにらみ合う時間が続いた。午後0時半すぎには、突然木から下りたクマの行方を追い切れずに一時見失った。敷地内の別の木で見つかったが、緊迫した雰囲気に包まれた。

 近隣の小中学校では、下校時に教職員が引率したり、保護者が迎えに来たりしていた。大手町小の塚田賢校長は「グラウンドでの体育や校外学習を中止し、全て屋内にした。何事もなくて良かった」と話した。

 上越市の要請で駆け付けた長野市の動物園職員らにより、麻酔銃が放たれたのは午後4時すぎ。クマは麻酔が効くまで逃げ回り、近くの別の民家の敷地内で倒れているのが見つかった。

 クマを発見した上越市西城町の女性(58)は「遠くまで逃げずに済んで良かった」。クマが庭に居座った民家の女性は「窓からずっと見ていた。人的被害がなくて良かったが、疲れた…」と胸をなで下ろしていた。

 一方、捕獲したクマとは別のクマが出没したとの情報もあり、9日夜も市などによる警戒が続く。市民から「まだ他にもいるのか」と心配する声も聞こえた。