「白い巨塔」岡田准一が“総回診”で登場!「面白くもすごく苦しかった」

テレビ朝日系で5月22日より5夜連続で放送されるドラマスペシャル「白い巨塔」(午後9:00)の制作発表記者会見が行われ、主演の岡田准一ほか豪華共演陣が登壇した。岡田は自身が演じる主人公・財前五郎の代名詞とも言える“総回診”スタイルで登壇し、「山崎先生の名作をリメークするということで、その巨大な巨塔にチャレンジするつもりで撮影してまいりました。令和の時代にふさわしい一発目の巨大スペシャルドラマになっていると信じています」と自信をのぞかせた。

同ドラマは、大学病院という閉鎖的な世界で繰り広げられる権力争いを描く山崎豊子原作の社会派ヒューマンドラマ。刊行から50年たった今なお多くの人に愛され続け、幾度となく映画化、ドラマ化されている不朽の名作。役柄について岡田は「すごく面白くもありすごく苦しかった。魅力的な役だったのですごく楽しかったです。話を追うごとにほかの人物との距離感も変わっていく。その変化を楽しみながら演じていました」と振り返った。

また、総回診については「有名なシーンなので、現場がすごく盛り上がりました。監督が今回はアクティブでエネルギッシュな財前にしたいとおっしゃっていたので、総回診の歩くスピードは速かったです。八嶋(智人)さんが『速すぎて歩けない』と言ってました。それなのに『俺が俺が』と追い抜こうとしてきたので、止めるのが大変でしたね(笑)」と撮影時のエピソードを披露した。

一方、財前とは対照的な存在として描かれる内科医・里見脩二を演じた松山ケンイチは、「対照的な役ではあるんですけど、理想という意味ではどこか同じところもあるのかなと思うんです。ただ行き着くための道筋が違うというか。里見は財前と同じ准教授ですけど教授選には関わっていないですし、淡々とがん細胞を見つけるための研究をコツコツとしているだけ。それでも財前と対峙(たいじ)しなければいけない場面は出てきます。里見自身も財前と同じ先生に学んできた同志なので、否定ではなくて寄り添っていくという感じでした。岡田さんのエネルギッシュな表現にどうアプローチしていくのか。どう崩していくのか、受けるのか、ということを考えながらやっていました。今まで感じたことがなかったパワーで楽しかったです」と語ると、岡田も「里見がいてこその財前。医者の理想としての里見を完璧に演じてくださったので楽しかったです」と絶賛した。

財前と手術に臨む第一外科の医局員・柳原雅博を演じる満島真之介は「今回の『白い巨塔』が今までと違うのは、現代版です。カルテもタブレットを使った電子カルテになっています。手術シーンもそうで、財前先生の手術も腹腔鏡を使った最先端の医療になっています」と見どころを紹介。さらに、手術シーンは岡田の独壇場だったようで、「岡田さんがどんどん勝手に進んでいくんです。『聞いてないよ!』って(笑)。監督も止められなくてずーっと進んでいくんです」と振り返ると、岡田はその理由を「財前はスペシャリストなので『ヤバイ!』っていう緊迫のシーンを作れないんです。だから財前の腕を見せるために勢いをつけていきました。何を言っても共演の皆さんが芸達者なので対応してくれました」と共演陣に感謝を述べた。

最後に岡田は「この作品は財前という男が人生を登りきって下りきるまで描く。その下りきる5話をどう見せるかということを意識して演じていきました。今回の財前は『最後までずっと止まらないでくれ』と監督に言われていたので、エネルギッシュになりました。後半すごくしんどくて、財前が崩れていくというか。名作なので言っちゃっても大丈夫だと思うんですけど、最後に財前が落ちきって死ぬという結末があるので、最後のシーンはこれでお別れなんだなというのが不思議な一体感がありました。しんどくも楽しい充実した毎日でした」と締めくくった。

© 株式会社東京ニュース通信社