キリシタン遺産で活性化 「イナッショ祭り」初開催 25、26日・新上五島、五島 シンポや江上天主堂見学

初めて開かれる「イナッショ祭り」のチラシ

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を活用して地域を活性化するイベント「イナッショ祭り」が25、26の両日、構成資産がある長崎県新上五島町と五島市で初めて開かれる。有志でつくる実行委(会長・高祖敏明聖心女子大学長)主催。

 遺産を魅力ある地域づくりに役立てようと、同遺産の世界遺産登録を提唱した元長崎市職員の柿森和年さん(72)=五島市奈留町=がイベントを考案した。「イナッショ」とは、日本にキリスト教を伝えた修道会イエズス会を創始したイグナチオ・ロヨラのことで、禁教期に長崎・外海地区や五島、天草で信仰を続けた潜伏キリシタンから「イナッショさま」と呼ばれ、信仰対象になっていた。

 25日は新上五島町の大曽教会(青方郷)で感謝ミサをささげた後、午後1時から鯨賓館ホール(有川郷)でシンポジウムを開き、イエズス会日本管区長のデ・ルカ・レンゾさんの講演やパネルディスカッションがある。夜は町内の海辺のデッキで地元料理やフラメンコ舞踊を楽しむフェスタを開く。

 26日は構成資産に含まれる五島市奈留島の江上天主堂や潜伏キリシタン遺跡などを見学。2000年に同島で開かれた学会で世界遺産登録が提唱されたことを記念し、奈留港ターミナル前に新たに建立した碑を除幕する。

 柿森さんは「遺産を活用して民間の立場から盛り上げ、活性化につなげたい。継続して長崎の著名な祭りにしたい」と話している。

 シンポジウムは先着300人。フェスタは参加費3千円で、新上五島町文化財課(電0959.42.0180)に申し込みが必要。問い合わせは柿森さん(電090.5481.7313)。

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