フラボノイドで歯周病抑制 尚絅大の狩生教授ら科学誌で発表

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 尚絅大の狩生[かりう]徹教授(46)=食品学=の研究グループが、「フラボノイドが歯周病による出血抑制などに有効である」との研究成果を、日本農芸化学会の科学誌電子版で発表した。

 フラボノイドは色素グループの一種の総称。かんきつ類などの植物に含まれ、抗菌・抗酸化作用を持つ種類もある。歯周病に有効だったのは、精力剤などとして使用されている生薬イカリソウ由来のフラボノイド。

 狩生教授によると、歯周病菌はタンパク質を分解する強力な酵素を放出し、歯茎組織や血液中のタンパク質を分解し、出血や炎症を引き起こす。研究の結果、フラボノイドが、この酵素を抑制することが判明したという。

 狩生教授は、研究グループの熊本大医学部や崇城大薬学部の教授と交流する中で2016年に着想。イカリソウに含まれるフラボノイド40種類について、歯周病への効用を、1種類ずつ約3年間にわたり検証。最も効用が強い種類を動物実験に使用すると、歯周病菌の酵素で出血しやすくなる血管を、正常な状態に維持できることが分かった。

 今後は米フロリダ大の歯周病研究者らと共同研究し、より詳細に効用を調べる予定。狩生教授は「歯周病は多くの人が悩んでいる。生薬由来の安全で安価な成分を有効活用し、歯磨き粉や予防薬の開発につなげたい」としている。(前田晃志)

(2019年5月10日付 熊本日日新聞朝刊掲載)