<レスリング>【2019年東日本学生リーグ戦に挑む】盤石の軽量2階級と二大看板の74kg級! 伝統復活なるか…日体大

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 東日本学生界の最大のイベント、東日本学生リーグ戦。最多優勝を誇るのは、1979~96年に18連覇を達成した日体大。平成の30年間に限っても14度優勝と最多を誇るが、「21世紀」というくくりなら4度優勝。8度優勝の山梨学院大に遅れをとっている。

 昨秋、全日本大学選手権・大学対抗得点で10年ぶりに優勝を遂げた。それに先立つ全日本大学グレコローマン選手権でも勝っており、24年ぶりに大学の団体戦二冠を制覇。“強い日体大”が戻ってきた。その勢いを今年のリーグ戦(5月13~15日、東京・駒沢体育館)にぶつけ、2012年以来の優勝を勝ち取ることができるか。日体大の戦力をさぐった。(取材・撮影=保高幸子、文=樋口郁夫)

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「軽量2階級を勝ち切ることが重要」…松本慎吾監督

山梨学院大の7連覇阻止へ挑む日体大

 昨年の大学二冠王者として臨むリーグ戦。軽量2階級に昨年の大学王者が残っているのは心強く、他大学の追従を許さないものがある。57kg級の新井陸人(4年=鹿児島・鹿屋中央高卒)は主将に推され、チームからの信頼感は抜群。どこが相手でも確実に先制の白星が期待できる。

 61kg級の山口海輝(2年=千葉・日体大柏高卒)は、全日本選手権では本来の57kg級に出場。2017年世界王者の高橋侑希 (ALSOK)と大接戦を展開。わずかの差で逆転負けを喫してしまったが、学生間では61kg級でも負けることはない実力はある。

 中量級では、70kg級でU23世界選手権3位など活躍していた基山仁太郎(2年=三重・いなべ総合学園高卒)が東京オリンピックへ向けて74kg級へアップ。三輪優翔(3年=和歌山・和歌山北高卒)とバッティングしてしまった。三輪は3月のワールドカップ(ロシア)でキューバ選手にフォール勝ちするなどの実力をつけている。もったいない状況だが、どちらが出ても、確実に1勝が期待できる戦力は頼もしい限りだ。

 松本慎吾監督は「決勝リーグは例年通り厳しい闘いになる。4-3で決まるような接戦が続くだろう」と厳しい表情。「57kg級と61kg級で勝ち星をしっかり取り、中重量級につなげることが大事になってくる。軽量2階級を勝ち切ることが重要」と話し、“スタートダッシュ”で勢いをつけてチームの勝利を目指す。

3階級は計算できる山梨学院大戦、あと1勝は?

 最大のライバルと目される山梨学院大との一戦は、予想される布陣なら、この3階級で日体大に分がある。あと1勝をどこで取るか。125kg級で全日本大学選手権3位の仲里優里(2年=沖縄・北部農林高卒)は、4月のJOC杯グレコローマン97kg級優勝と力を持っているが、バグダウレット・アルメンタイが相手では分が悪い。70kg級も、65kg級世界王者の乙黒拓斗が万全の状態で出てきたなら厳しいのが現実。

チームを支えるポイントゲッター。左から三輪優翔、新井陸人、山口海輝

 65kg級で全日本学生選手権3位の上野裕次郎(4年=岐阜・岐南工高卒)、86kg級で東日本学生春季選手権優勝の錦戸祐也(4年=熊本・玉名工高卒)がどう闘うか。日体大優勝のかぎは、この2階級にありそうだ。

 松本監督は「2年生が中心となり、3、4年生の力を借りつつ一戦一戦を大事に勝っていきたい」と勝ちパターンを予想する。乙黒については、「どの階級に出てくるのか。オーダーの決め方も重要になる」と話す。74kg級に出てくるようなことがあれば、基山か三輪が上の階級の選手の意地を見せねばなるまい。

 新井主将は「リーグ戦に向けて、メンバー以外の選手たちがサポートをしてくれ、いい環境でやれている。全員一丸となって優勝したい」と意気込む。山口は「高校で(団体戦)負け知らずだったけど、去年、初めてのリーグ戦で負けてしまい、悔しかった。今年は全部勝ちたい」と続けた。

 流れが重要な要素を占める団体戦。盤石の軽量級が勢いをつけ、7年ぶりの優勝を引き寄せるか。

全日本トップ級の実力を持つ61kg級の山口海輝
3月のワールドカップで活躍した三輪優翔