【MLB】携帯ゲームに絶景スポット…大谷が復帰初安打、地道なリハビリ生活を支えたもの

敵地デトロイト戦で復帰後初安打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

復帰初安打を含む4打数2安打1打点1四球「より良くしていければ本塁打も出てくれる」

■エンゼルス 13-0 タイガース(日本時間10日・デトロイト)

 エンゼルスの大谷翔平投手が9日(日本時間10日)、敵地タイガース戦で「3番・DH」で3戦連続フル出場。初回の第1打席で復帰10打席目で初安打となる先制の右前適時打を放つなど4打数2安打1打点、1四球1三振。223日ぶりのマルチ安打をマークして、チームの大勝に貢献した。

 大谷らしい強烈なライナーだった。初回無死一、二塁、1ストライクからの2球目。左腕カーペンターの、2球続けてきた内角スライダーを捉えた。打球速度111マイル(約178.7キロ)の強烈なライナーは右前へ。今季3戦10打席で生まれた復帰初安打は先制適時打となった。一塁ベース上で自然と笑顔がこぼれた。

「良かったです。見え方も良かったですし、捉え方は今ひとつなところがありましたけど、良かったと思います。(初安打が出るまでは)不安ですね。どういう感じで打てているのかは、最初の数打席がすごく大事かなと思うので。今日出てくれて、まずは良かったです」。昨季最終戦となった9月30日アスレチックス戦以来221日ぶりの快音。安堵の表情で振り返った。

 3回先頭では左腕カーペンターの2球目、144キロ直球を強振。二塁ベース付近を守っていた三塁・キャンデラリオを強襲する内野安打となった。マルチ安打は昨年9月28日アスレチックス戦以来223日ぶりだ。「(今季初安打が出て)若干、楽にはなりましたけど、結果的にヒットよりも最後の打席も立っている感じはすごく良かった」と8回の四球に復調の手応え。「それを明日継続して、より良くしていければ、もっともっと安打も本塁打も出てくれるんじゃないかなと思います」。全開宣言も遠くなさそうだ

米キャンプ2年目は地道なリハビリも…水原通訳証言「1年目よりもスムーズに」

 昨年10月に右肘にメスを入れた。メジャー復帰まで術後7か月を要する地道なリハビリ生活となったが、楽しみを加えた。ロッカールームではトラウトらと携帯ゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」、「フォートナイト」などで積極交流。3月中のキャンプ休日には世界屈指の絶景ポイントとして知られる「アンテロープ・キャニオン」へ。キャンプ地から水原通訳が運転する車で5時間以上かかるため、休前日から現地ホテルに宿泊。自然の驚異が生み出した絶景スポットに酔いしれた。

 水原通訳は「1年目よりは勝手が分かっていてスムーズに。去年よりはキャンプが短く感じていた」と証言した。例年シーズンとの初安打の違いを問われた大谷も「特に変わらずに来てるかなと。5月に入ってるのでそういう点では違いますけど、特には変わらずに」とケロリ。人生初の大手術も難なく駆け抜けた。

 3打数無安打だった前夜は22時前に試合終了。この日は13時10分開始のデーゲームだったが、球団から送られてくる自身の打撃フォームを確認してから床についた。この日は降雨で53分遅れで始まったが、「昨日はナイターだったので、延びてくれる分には特に問題なく」と試合開始遅れも力に変えた。オースマス監督は「彼は打席で良い状態に見えた。強打していた。内野安打もあったが、それでも上手く打っていた。打てたことはよかった」とホッと一安心したようだった。

 10日からは敵地・オリオールズ3連戦。相手先発は10日ストレイリー、11日バンディと右腕が続く。「良いところもあれば、悪いところもあるというか、見え方としては悪くないので、ミスをしているところもありますし、そこは徐々にもっともっと良くなればいいんじゃないかなと思います」と大谷。勢いに乗って初アーチを打ち込みたいところだ。(Full-Count編集部)

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