バルミューダ社の扇風機のモーターを担当していたフジマイクロ(株)が破産申請

 フジマイクロ(株)(TSR企業コード:320072886、法人番号:8010001070141、登記上:墨田区江東橋1-16-2、設立1966(昭和41)年9月、資本金1億円、丸山忠作社長)は5月10日、東京地裁に破産を申請した。
 負債総額は約17億円。

 当初は東証1部上場の(株)アドバネクス(TSR企業コード:290032393、法人番号:7011501000992、東京都北区)の連結子会社として小型モーターメーカーとして事業を展開していた。千葉県市原市と福島県いわき市に工場を構え、1995年11月には中国工場を開設。徐々に生産体制を中国へシフトした。上場も視野に入れ、2008年3月期は売上高59億8234万円をあげた。2010年2月には超低騒音ブラシレスモーターを開発し、バルミューダ社の扇風機にモーターを提供もしていた。
 しかし、競争激化などから業績不振に陥り、上場計画を凍結。親会社が複数回変更されるなど不安定な状況となっていた。
 さらに、中国の新工場がトラブルで移管できず、旧中国工場の従業員によるストライキなども発生。新工場開設を断念し、中国のモーター会社に製造を委託することとなった。また、円安による採算悪化もあり、2015年3月期は売上高25億1436万円にとどまり、中国工場の特別損失などから23億8501万円の赤字を計上し、債務超過に陥った。
 このため、モーターの卸売に業態を変更したが、委託した工場との連携悪化で納品遅れや品質クレームが発生し、業況が悪化。代表や取締役の変更など経営体制も混乱し、再建が遅れ、2018年12月末頃には休眠状態となっていた。
 アドバネクスは、「フジマイクロと取引はなく、保有する株式も2015年3月、減損済みのため業績に与える影響はない」とリリースした。

© 株式会社東京商工リサーチ