「逗子の鎮守」亀岡八幡宮改築100年 節目の催し

神社境内で、ポスターを手に催しをPRする奥野さん=亀岡八幡宮

 亀岡八幡宮(神奈川県逗子市逗子5丁目)の社殿が今年、改築から100年を迎えた。「亀八」「亀神」の愛称で親しまれ、市民に長く愛されてきた逗子の鎮守の節目を祝う催しが11日に開かれる。氏子らでつくる実行委員会は「神社の歴史を改めて知ってもらえる機会になれば」と期待している。

 亀岡八幡宮には第15代応神天皇が祭られている。明治政府が発布した神仏分離令を機に、1873(明治6)年に「逗子の鎮守」と正式に定められた。

 地形がなだらかな丘で亀の甲羅のようであることから、鶴岡八幡宮(鎌倉市)に対して「亀岡八幡宮」と名付けられたと伝わる。

 現在の社殿は1919(大正8)年4月、落成。氏子らが改修資金を集め、4年後に起きた関東大震災にも耐えた。

 落成以降、例大祭などの祭儀には幅広い世代が集まった。太平洋戦争後も、若者らが神輿(みこし)を担いで練り歩き、地域を盛り上げた。

 そのにぎわいは今も健在だ。市民の憩いの場にもなっているほか、地元の市民団体らが境内で交流イベントを開いている。

 節目の催しでは、1919年の落成式から昨年の祭儀まで、現存する写真23枚を境内に展示し、神社と市民の歩みを振り返る。

 開催のきっかけは、氏子会の前総代表・産形(うぶかた)長司さんが「改築100年を祝い、何かやろう」と氏子世話役が集まる会合で提案したことだった。

 氏子会の副総代で、実行委員長の奥野哲男さん(80)は「大切にしてきたことは、地域との関わり。これからも市民が気楽に休憩できて、子どもたちも安心して遊べる、そんな神社にしていきたい」と話している。

 催しは午前11時から午後7時までで、雨天順延。亀岡八幡宮神輿会の会員が神輿を披露するほか、保存会メンバーらによる囃子(はやし)などの演奏も行われる。問い合わせは実行委電話046(871)7171。

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