本年度のロマン長崎

 自治体などが地域の若い女性を公募して選ぶ「ミス○○」は、最近はあまり聞かなくなったが、1990年代ごろまでは珍しくなかった。選ばれたミスは観光や特産品PRの場面で花を添える役割を期待されることが多かった▲一方では、応募が若い女性に限定されることに批判も絶えなかった。長崎市などでつくる選彰委員会は、市の男女共同参画都市宣言を機に、2000年度から「ミス長崎」を「ロマン長崎」に名称変更。応募条件から性別と年齢制限を外した▲ただ、その後も男性の応募は、毎年1人いるかいないか。選ばれたのは結果的に女性ばかりだった▲本年度のロマン長崎3人のうちの1人に、初めて男性が選ばれた。長崎大教育学部2年の苑田大誠さん(20)だ▲高校時代に訪問先の米国で、出身地の魅力を伝える喜びに目覚めたという。今秋の長崎くんちに江戸町のオランダ船の根曳(ねびき)として参加する予定で、伝統の祭りを担い手の立場からも発信したいと意欲的▲県外就職から地元に戻ってきた会社員、岩本恵子さん(23)は、自分のようなUターン者を呼び込みたいと語る。長崎大経済学部3年の小谷花恵さん(20)は、得意の英語を生かして外国人観光客にも長崎の良さをアピールしたいという。3人が持ち味を発揮し、活躍する今後が楽しみだ。(泉)

© 株式会社長崎新聞社