元DeNA久保康友、今季最短4回途中8失点KO 元広島ロサリオを抑えられず…

メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンでプレーする久保康友【写真:球団提供】

3回2/3でKOされ3敗目、“極寒”のバス移動による体調不良も響く

 メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンでプレーする元DeNAの久保康友投手が10日(日本時間11日)、敵地で行われたサラペロス・デ・サルティージョ戦に先発し、今季最短となる3回2/3でKO。サルティージョの4番、元広島のドミニカ共和国人、ライネル・ロサリオ外野手を抑えることができず、12安打8失点で3敗目を喫した。試合は6-14でレオンが敗れ、3連敗で12勝19敗となった。順位は南地区4位タイをキープした。

「今日はコントロールミスが多かった。本塁打は内角いっぱいの球をうまく打たれた」

 初回、2回は得点圏に走者を進めながらも、無失点で切り抜けたが、3回に捕まった。先頭の2番の左打者に右翼線への同点ソロを浴びると、その後、4安打を許し、計5失点。4回にも4安打で3点を失い、今季ワーストの8失点で無念の降板となった。相手の4番ロサリオは3打数3安打2得点。日本でも対戦歴がある相手を封じることはできなかった。

 体調が万全でない中での登板だった。チームはこの日朝、前日まで滞在していたトレオンからサルティージョまでバスで約3時間掛けて移動。メキシコではバスの車内は冷房の効きすぎで極寒となることが多いが、厚手の長袖を用意し、運転手に温度調節を頼んでいた久保も、その甲斐もなく洗礼を浴びる形となり、体調を崩していた。

“二刀流プラン”は白紙「次はしっかり抑えたい」

 チームは7日にもレオンから約8時間掛けてトレオンにバス移動していたが、この時も車内の温度は18度と寒く、また4泊したトレオンが非常に乾燥し、湿度が低い気候だったため、車内環境と気候の変化による疲労によって、ベストパフォーマンスが出せない中での敗戦となった。サルティージョは標高約1600メートル。空気抵抗が少ないため打球が飛ぶが、標高約1800メートルの本拠地レオンよりも湿度が高く、ボールが扱いやすいため、久保は「レオンよりも投げやすい」と話していたが、コンディション不良が最後まで響いた。

 先発&中継ぎの“二刀流プラン”が一旦白紙になった中での先発でもあった。中継ぎ陣の崩壊を食い止めようと、球団は今週に入り、トレードなどで新たに3人の中継ぎを獲得。さらに1人を下部組織から上げる予定で、久保が先発登板する合間にブルペンで調整する代わりに中継ぎとして試合で投げる“二刀流プラン”は一旦消滅した。そんな中、中5日で臨んだマウンドだったが、霧に包まれた敵地での快投はならなかった。

 これで久保は8試合に登板し、2勝3敗、防御率5.72。この日は4奪三振で、投球回45回2/3、53奪三振はいずれも両リーグトップをキープした。

 次回先発は16日(同17日)に本拠地レオンで行われるサラペロス・デ・サルティージョ戦の予定。2戦続けて同じチームが相手となるだけに「もう打者の特徴は分かっているので、次はしっかり抑えたい」とリベンジを誓った。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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