WRCチリ:トヨタのタナクが30秒リードで首位堅持。WRC2勝田貴元がクラストップへ浮上

©株式会社サンズ

 2019年のWRC世界ラリー選手権第6戦チリは5月11日、SS7〜12が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位をキープ。リードを30.3秒まで広げている。

 10日に行われた競技初日をトップで終えたタナクは、競技2日目も快走。この日行われた6SSのうち、SS9とSS11のふたつでトップタイムをマークして、リードを広げていく。

 競技2日目最後のステージだったSS12は雨が降り、霧も出る難しいコンディションに。「タイヤ選択を間違えた」というタナクはステージ7位と苦戦したものの、最終的に総合2番手のセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)に対し、30.3秒のリードを築いて走行を終えた。

「今日はタフな1日だったし、こういったコンディションでは状況をコントロールするのは難しい」とタナク。

「なんとかいいリズムを掴もうとしていたけど、特に最終ステージ(SS12)は霧と雨、タイヤのミスチョイスなど、すべてが望んでいない方向に進んでしまった」

「なんとか1日を走り切ることができたし、ギャップも広がっている。最終日も引き続き集中していくよ」

 総合2番手のオジエは午前中に行われたステージではC3 WRCのペースに不満を述べていたものの、セットアップを変え、ライバルと異なるタイヤ選択で臨んだ午後はペースが改善した。

セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)
セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)

 ただし、総合3番手に浮上してきたセバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)とは、わずか5.1秒差となっており、競技最終日はシリーズ5連覇中のオジエと、9年連続王者だったローブによる戦いが熱を帯びることになる。

 総合首位のタナクが大きなトラブルなく走行を終えた一方で、アクシデントに見舞われるライバルも多かった。その筆頭は目下2連勝中でランキングトップのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)だった。

 競技2日目最初のステージだったSS7で最速タイムを刻み、総合3番手にポジションを上げたヌービルは、続くSS8の高速右コーナーでライン取りがワイドになると、コース左側にある溝へ落ちてしまい、そのままマシンが計7回横転する大クラッシュを起こしてしまう。

 幸いヌービルとコドライバーのニコラス・ギルソウルに大きな怪我はなかったものの、マシンは大破。大会リタイアを余儀なくされた。

 またトヨタのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、表彰台圏内の総合3番手で迎えたSS12で、マシン左フロントを岩にヒットさせてしまいドライブシャフトが破損。走行を続けられずデイリタイアとなった。

フロントウインドウのない状態で走行したクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)

 トヨタの残る1台、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)はSS7でマシンが横転するクラッシュを引き起こしたものの、走行は続行。フロントウインドウがなくなるなど、フロントに大きなダメージを負った状態でSS8〜9を走り切ると、ランチタイムのサービスでメカニックがマシンを修復。午後は大きな着実な走行で乗り切り、総合10番手につけた。

 総合4〜5番手はMスポーツ・フォードのエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)とテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が確保。総合6番手にはエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)がつけている。

WRC2クラスの首位に浮上した勝田貴元(フォード・フィエスタR5)

 下位クラスのWRC2では、前日クラス2番手だった勝田貴元(フォード・フィエスタR5)がSS7〜8、11〜12の4SSでクラス最速タイムを刻んで、24.5秒差を逆転したばかりか、12.8秒リードでクラス首位に浮上してみせた。

 競技最終日となる12日はSS13〜16の4SSで争われる1日。ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージの最終SS16は現地12時18分(日本時間13日1時18分)にスタートする予定だ。