【台湾】鴻海の次期董事リスト、郭董事長は引き続き董事[IT]

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EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業は10日、次期董事会(取締役会)を構成する董事(取締役)6人と独立董事(社外取締役)3人の候補者名簿を発表した。2020年の総統選に最大野党・中国国民党からの立候補の意思を表明している郭台銘董事長は、引き続き董事の候補に名を連ねた。6月21日の株主総会で董事が選任された後に開く董事会で董事長を決定する。11日付経済日報などが伝えた。

郭董事長を除く董事の候補者は、◇通信大手・亜太電信(APT)の呂芳銘董事長◇グループ半導体事業部門の劉揚偉総経理◇中国の産業用インターネット大手・富士康工業互聯網(FII)の李傑副董事長◇鴻騰六零八八精密科技(FIT)の盧松青董事長◇シャープの戴正呉社長——の5人。郭氏の最側近とされる黄秋蓮財務長と、スマートフォンなどデバイス製造大手・富智康集団(FIHモバイル)の池育陽主席代理は、今期の董事リストから外れた。

郭氏は候補者名簿発表翌日の11日に地元メディアの取材に応じ、自身の去就について、「国民党の総統候補者を決める予備選挙で選ばれなくても、鴻海の董事長に戻ることは絶対にない」と強調。その上で、次期董事長の人選について、うわさに挙がっている盧松青氏の可能性があるかどうか問われると、「盧氏でも戴氏でもない」と述べ、呂、劉、李の3氏から選ぶ意向を示した。

関係者の間では、郭氏が力を入れる8Kパネル・テレビと第5世代移動通信システム(5G)でグループの舵取りを担う呂氏と、4月の総統選への出馬表明の会見時に郭氏に同行した劉氏が次期董事長の有力候補との観測が出ている。

■売上高、4月も同月最高に

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業が10日に発表した4月の連結売上高は3,797億8,600万台湾元(約1兆3,500億円)で、前月比0.8%、前年同月比で10.4%それぞれ増え、同月としての過去最高を更新した。1~4月の累計売上高は前年同期比4.7%増の1兆4,361億1,900万元だった。11日付経済日報などが伝えた。

製品別に4月の売上高の伸びを前月比で見ると、コンシューマー・エレクトロニクス製品、コンピューティング製品、通信製品の順で伸び幅が大きかった。前年同月比ではコンシューマー・エレクトロニクス製品、通信製品、コンピューティング製品の順だった。

証券筋は鴻海の4月の業績について、「新旧製品が入れ替わる端境期で通常は不需要期に当たるが、主な取引先の米アップルが中国でスマートフォン『iPhone(アイフォーン)』の価格を見直したことで引き合いが増え、鴻海の売り上げも安定推移した」と指摘。今後についてはマクロ経済の情勢、とりわけ米中貿易摩擦の行方に引き続き注意する必要があるとした。