唐辛子缶 | うまい蕎麦屋にはコレがある?唐辛子缶の世界…

町田忍の素晴らしき庶民文化

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お寺と七味唐辛子の関係、知ってる?

スーパーでよく見る七味唐辛子は現代的な瓶詰めだが、昔懐かしい七味唐辛子のパッケージといえば、この缶のデザインだったり、あるいはひょうたん型の容器だったりするのではないだろうか?おばあちゃん家の七味がこの形状だったり、誰かのお土産にもらったりして家で使っていた、なんて人も多いと思う。
こうした七味はたいてい、お寺の門前で売られていることが多い。お寺に参拝に行った帰りに、七味唐辛子を売っているお店をよく見かける。なかには素材ごとに分かれていて、目の前で調合してくれるお店なんかもある。

しかし、どうしてお寺で七味唐辛子なのだろうか…現在、日本には三大七味なるものがあり、それぞれ清水寺の七味屋、善光寺の八幡屋礒五郎、そして浅草寺のやげん堀だが、どれもお寺の門前にあるのだ。

これには諸説あるのだが、まあ、七味唐辛子の老舗と呼ばれる店ができた江戸時代には、門前町が非常に栄えており、参拝客も多かった。そこでその参拝客目当てに門前で七味を売りはじめたのではないかと言われている。
特に善光寺は人気の参拝スポットであり、善光寺参りのお土産に、かさばらない八幡屋礒五郎の七味唐辛子はめちゃくちゃ人気だったらしい。人気過ぎてなんだったら通行手形の変わりになったそうな…

また、七味唐辛子はそもそも漢方の一種のようなものであり、お寺参りの後に体にいいものを…という心理もあったそうな。漢方であることを裏づけるように、浅草寺のやげん堀は薬研堀という地名が元で、もともと医師や薬剤師が多かった地域だったりするのだ。
お寺と七味にこんなつながりがあったとは驚きである。

今回の町田さんのコレクションは、その三大七味のうち、八幡屋礒五郎とやげん堀がメインとなるので、それぞれ紹介していこう!

牛に引かれて善光寺参り…善光寺名物「八幡屋礒五郎」

この赤金のブリキ缶を蕎麦屋で見たら、その蕎麦屋は当たりである、というのは町田さんの言wまあ、それくらいこだわりの七味唐辛子ということだ。それもそのはず、かの有名な善光寺の門前に1736年から居を構える七味唐辛子の老舗だ。
そんな八幡屋礒五郎のブリキ缶を、町田さんはご覧のように大量に所有している。レトロな感じもありつつ、オシャレな感じもする、なんともステキなパッケージだ。

反対側のデザインはこんな感じ。基本的には善光寺がプリントされているのだが、なかには左端のように意匠を変えることもある。これがイヤーモデル缶で、長野の特筆すべきできごとをデザインしているらしい。ちなみにこれは2012年のもので、長電2000系の電車が引退したニュースになぞらえてあるそうだ。

このイヤーモデル缶、さまざまなデザインがあるらしいのだが、その中でもこんなオヤジ心をくすぐるローカル線のデザインを持っているなんて、さすがは町田さんだ!
いーなぁ…このデザイン…ほしい…。

こちらはやげん堀のパッケージ。ブリキ缶は一緒だが、こちらは善光寺ではなく浅草寺が描かれている。

ちなみに、「七色」と書かれているのは七味唐辛子のこと。いまでは七味唐辛子というのが定着したけれど、もともとは関西地方の呼び方。江戸っ子はもっぱら七色唐辛子と呼んでいたそうな。さすがは江戸の下町、浅草寺の老舗やげん堀。時代は変わっても江戸っ子の粋は忘れていないようだ。

(取材の帰り道にて…)
ミノ:いやー、今回もいいものを見せていただいた…( ´―`)フゥー...
ポン:ホント、楽しいわよねぇ…でも今回、湯船にも屋台の蕎麦屋があったり、七味の缶を見せられたから、お蕎麦が食べたくてしょうがないわ(*´﹃`*)
IT:お?行っちゃいます?
ミノ:いいねぇ!!!

と、いうわけで、三人で蕎麦屋に寄り道して、取材を終了した一行。もちろん蕎麦には七味を目一杯ふりかけていただきましたとさwそれにしても食べ過ぎじゃないのかな(;´∀`)
日本のみならず、海外でもうどんや焼き鳥を食べるときの調味料として、徐々に広がりつつある七味唐辛子。みなさんも久しぶりに門前町で七味唐辛子をゲットしてみてはいかがだろうか?