MD長崎 2年ぶりV 長崎県サッカー選手権決勝 天皇杯出場へ 「長崎対決を実現させたい」

【決勝、長崎総合科学大-MD長崎】後半28分、MD長崎のMF安武(左)が直接FKで決勝ゴールを決め、右手を突き上げて喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第99回天皇杯全日本選手権県代表を決める第30回県選手権(長崎県サッカー協会主催、長崎新聞社、共同通信社共催)最終日は12日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で決勝が行われ、MD長崎が長崎総合科学大に3-2で逆転勝ちし、2年ぶり3度目の優勝を飾った。

 決勝は長崎総科大が前半に2点を先行。25分、左サイドから持ち込んだFW薬真寺が豪快に決めると、34分にはFW日野が縦パスに抜け出して追加点を挙げた。MD長崎は後半19分、ゴール前の混戦からDF岩竹が決めて1点を返すと、その4分後にも味方シュートのこぼれ球をFW深町が流し込んで同点。28分、監督も兼ねるMF安武がゴールまで22メートルの位置で得たFKを直接決めた。

 大会の最優秀選手にはMD長崎の安武、優秀選手には長崎総科大の薬真寺が選ばれた。

 天皇杯は25日に開幕する。長崎県勢はMD長崎が1回戦(26日13時・長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場)で高知ユナイテッドSCと対戦。勝者がV・ファーレン長崎との2回戦(7月3日19時・トランスコスモススタジアム長崎)に挑む。

 ■長崎総科大に3―2 一気に逆転 昨年のリベンジ

 1枚の天皇杯切符を争う一戦は終盤、劇的に動いた。2点ビハインドのMD長崎が、後半19分からの9分間で一気に3得点。同カードだった昨年決勝のリベンジを果たした。「みんなの負けたくない気持ちがひしひしと伝わってきた」。逆転FK弾を決めた選手兼監督のMF安武は誇らしげに語った。

 地元の強豪校出身者が集まる社会人チーム。アマチュアでは県内で敵なしの状態が続いていた1年前、この大会で長崎総科大に土をつけられた。足が止まった後半に2失点。練習不足は明らかだった。どこかに慢心もあったのかもしれない。

 「もう悔しい思いはしたくない」。大会後、週1回だった平日夜の練習を2回、3回と増やした。仕事やプライベートを言い訳にサボりがちだった選手も足を運ぶようになった。1年かけて、90分戦い抜けるチームに成長。今大会、その成果を結果で示してみせた。負けないチームが、負けて強くなった。

 2年ぶりの全国舞台は、すぐ2週間後に迫っている。勝てば、地元JチームのV・ファーレン長崎と対戦する。この試合、最後尾でチームメートを鼓舞し続けた主将のGK渕上が力強く宣言した。

 「初戦を勝って、長崎対決を実現させたい」

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