【MLB】首位決戦でCY賞左腕に投げ勝った田中将大に称賛やまず「彼は重圧を力に変える」

今季3勝目を挙げたヤンキース・田中将大【写真:AP】

NY紙が7回1失点の快投を絶賛「彼の今季最高の登板だったかもしれない」

■ヤンキース 7-1 レイズ(日本時間13日・タンパ)

 12日(日本時間13日)の敵地レイズ戦で7回5安打1失点7奪三振と快投し、今季3勝目を挙げたヤンキースの田中将大投手。ヤンキースを7-1の快勝に導いた投球に称賛の声が続々と上がっている。特に、宝刀スプリットの切れ味が戻ったことをNYメディアは“歓迎”しており、昨季のサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネルに投げ勝った快投を女房役は「彼は常にビッグゲームで調子を上げる」と称えている。

 田中は5回まで毎回奪三振の快投。レイズ打線を圧倒した。失点は、6回1死からメドウズに浴びたソロ本塁打のみ。わずか73球、今季5度目のクオリティースタート(QS、6回以上を自責3以内)、そして同2度目のハイクオリティースタート(HQS、7回以上を自責2以内)と圧巻の投球だった。

 地元紙「ニューヨーク・ポスト」は「マサヒロ・タナカと彼の最大の武器が彼の必要性を示す」とのタイトルで、この試合についてレポート。ここ数試合不調だったスプリットが冴え渡ったこと、そして、サイ・ヤング賞左腕相手の“首位決戦”という「ビッグゲーム」で田中が本来の力を発揮したことに注目している。

 記事では「彼は7回5安打1失点、無四球、7奪三振とした。ヤンキース打線の1巡目では、スネルは完璧で、9人中7人から三振を奪った。タナカも負けていなかった。彼の今季最高の登板だったかもしれないし、間違いなく最も重要な試合であった。なぜなら、奪三振のうち3つを復活したスプリットで奪ったからである」と指摘。女房役のオースティン・ロマインも「間違いなくスプリットが改善した。ここ数試合で最高だった」と絶賛したという。

ポストシーズンでも無類の強さを発揮する田中「彼は常にビッグゲームで調子を上げる」

 そして、“宝刀”の切れ味が戻った田中はビッグゲームでまたしても真価を見せつけた。1.5ゲーム差で迎えた首位レイズとの一戦。しかも、相手先発はサイヤング賞左腕スネルという大一番。ポストシーズンで無類の強さを発揮するなど、舞台が大きくなればなるほど冴え渡る右腕は期待通りの投球を見せた。

「現時点で今季最も重要なシリーズだった。ア・リーグのサイ・ヤング賞投手が対戦相手だった。この試合の注目は投手の投げ合いであり、ビッグゲームにおいてチームで最も信頼できる先発投手が登板したヤンキースが勝利した。大変残念な結果となった昨年10月に、彼はヤンキースで唯一最高の投球をした投手だった」

 記事ではこう指摘。昨季のポストシーズンは地区シリーズで宿敵レッドソックスに敗れたヤンキースだが、田中は第2戦で5回3安打1失点と好投し、チームは6-2で勝利。これが、ヤンキースが同シリーズでレッドソックスから挙げた唯一の勝利だった。同紙は「タナカの好投は全く不思議なことではない。ポストシーズンの通算防御率が1.50の男である。彼はプレッシャーに押しつぶされず、エネルギーに変える」と指摘。さらに、ロマインの「彼は常にビッグゲームで調子を上げる」というコメントも紹介している。

 地元メディア、そして同僚から、大一番での投球に絶大な信頼を寄せられている田中。名門ヤンキースで貴重な役割を果たし続けている。(Full-Count編集部)

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