ミサイル発射も、「方針変わらない」 菅官房長官が答弁

 前提条件なしの日朝首脳会談実現を目指す政府方針を巡り、菅義偉官房長官(衆院2区)は13日、北朝鮮による弾道ミサイル発射を確認した後でも「方針は変わらない」との認識を示した。衆院決算行政監視委員会で、国民民主党の後藤祐一氏(比例南関東)の質問に答えた。

 菅氏は訪米時のペンス副大統領らとの会談に触れ、「日本の考え方を説明し、米国は日本の立場をしっかりサポートしていきたいとの回答だった」と強調。9日の弾道ミサイル発射に対する米側の発表に関しては「国連安保理決議違反との認識を踏まえた対応だ」とし、決議の完全履行に向けて日米で緊密に連携していく意向を示した。

 後藤氏は「ミサイルが発射され厳重抗議している中、条件を付けずに金正恩委員長と会うべきなのか」と政府判断に疑問を呈した。

 同委員会では、立憲民主党の青柳陽一郎氏(6区)も前提条件なしの会談を批判したが、麻生太郎副総理兼財務相は「拉致の問題は極めて重要だ。政府の対応が変わったということではない」と述べるにとどめた。

 安倍晋三首相は、北朝鮮による日本人拉致問題の進展を会談の開催条件にしていたが、5月上旬に前提を置かずに開催を目指す考えをトランプ米大統領に伝えた。日本側が歩み寄ることで金氏の対日姿勢を軟化させる狙いがあるとみられる。

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