鳥取県、種子条例制定へ 中国地方初、安定供給や技術継承

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 米、麦、大豆の優良種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた主要農作物種子法(種子法)が昨年4月に廃止されたのを受け、鳥取県は「種子条例」を制定する方針を固めた。県の責任で種の供給や生産技術継承の態勢を維持し、農家の安定経営を支える目的。中四国地方では初めてで、6月開会予定の県議会定例会への条例案提案を目指す。

 条例案には、県農業試験場(鳥取市)で種子の原種・原原種の生産や優良品種選定を行う▽県や農協、種子生産組合などでつくる県産米改良協会が奨励品種を決定し、種子生産ほ場の指定を担う―などと明記。種子法廃止前の態勢を維持する。さらに生産者への技術指導、生産基盤維持のための財政措置も県の責務として明文化する。

 県は、鳥取市で検討会を開き、農協や種子生産組合の代表者、識者たちと意見交換した。出席者からは「若い担い手のためにも、将来にわたる種子の安定供給が重要」と条例化を歓迎する声が相次いだ。

 1952年に制定された種子法は、民間企業の参入を促す理由で廃止された。しかし、種子の価格高騰や品質低下、多様な品種の淘汰(とうた)を招くとの懸念が根強く、これまで8道県が同様の条例を制定している。