NPT会議成功へ「歩み寄り」求める 平和首長会議がアピール文

サイード議長(左)にアピール文を手渡すカバッソ専門委員=10日、米ニューヨークの国連本部(広島平和文化センター提供)

 核兵器のない世界を目指す非政府組織(NGO)平和首長会議は13日、2020年核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功に向け各国の「歩み寄り」を求めるアピール文を発表。加盟都市に対し、このアピール文を各国政府や市民に広く伝えるよう求めた。
 平和首長会議は広島市長を会長、長崎市長を副会長とし、163カ国・地域の7756都市が加盟。アピール文はNPTを「誠実な核軍縮交渉を義務付けた唯一の多国間条約」と強調、締約国の対話と外交努力が成功の鍵を握ると指摘した。「具体的な核軍縮・不拡散措置を確実に進めるため創造的な解決策を生み出してほしい」と訴えた。
 10日まで米ニューヨークの国連本部で開かれた20年再検討会議の第3回準備委員会では、核保有国側と非保有国側との溝が埋まらず、20年4、5月の再検討会議のたたき台となる議長勧告案の採択が見送られた。
 アピール文は10日、各国政府代表者に配布され、サイード準備委議長に対しては平和首長会議のジャクリーン・カバッソ専門委員が手渡した。

© 株式会社長崎新聞社