<ひとズーム>長崎県警刑事部長・羽田敏雄さん(59) 迅速解決で安心感を

羽田敏雄さん

 長崎県内の刑法犯の認知件数は年々減少し、数字だけを見ると治安は悪くない。ただ、ひとたび凶悪事件が発生すれば、市民の「体感治安」は一気に悪化する。事件が発生した際、いかに迅速に解決できるか-。捜査を担う刑事部の仕事は、市民の安心感に直結する。

 特殊詐欺やサイバー犯罪など「時代が生んだ新たな犯罪」が増え、手口も巧妙化。それらの事案に的確に対応するため、捜査力の向上が不可欠だ。生活安全部長を務めた過去の経験から「抑止」の視点も重視し、「犯人逮捕が抑止力にもなり、市民の安心安全につながる」と力を込める。

 長崎署の盗犯係から始まった刑事の世界。飲み屋街を泥くさくはいずり回っていた当時の日々が刑事の原点だ。その後は汚職事件などを扱う捜査2課を主に歩んできた。数々の難しい捜査を振り返り「困難な場面ほど、成長させてもらった」。だから、若い捜査員にも「腰を引かずに挑んでほしい」と期待する。

 働き方改革の流れの中「オンとオフの切り替えが大事」と自らに言い聞かせ、休日には歴史の香る町中散策を楽しんでいる。

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