今度は「キタの繁華街」でボッタクリ事件が勃発! 大阪の飲み屋街は緊急事態に陥っているのか?

安いわ、モテるわ、楽しいわ……は、要注意!

モグラたたきのような……というべきだろうか。大阪繁華街のダークぶりに歯止めがかからない。5月9日、大阪毎日放送で、北区堂山町にあるガールズバー「R」でぼったくりに遭い、10時間以上監禁されたという男性客の証言が放映された。

男性客は1時間3000円飲み放題と言われ、女性3人を相手に2時間ほどビールなどを飲んだところ、会計時に20万円を請求されたという。男性は手持ちの8万円を支払ったが解放してもらえず、残金のめどがつくまで10時間監禁されたというのだ。

関連記事:大阪・ミナミは只今ぼったくり警報発動中! のんきに客引きに付いて行ってボラれても同情の余地なし

責任者である店長は、飲食代を水増しして高額の料金をだまし取った容疑で逮捕。その後起訴された。

水増しを認めたことから、早い段階での起訴となったと思われるが、問題は、この店と系列店と思われる店舗で、今年1月から3月の間に約60件ものぼったくり被害が警察に寄せられていたということだ。被害の大きさから組織的な犯罪と推測され、なかには135万円を請求された客もいたという。正直、ぼったくりにしても大胆というかやりすぎ感は否めない。それをここまで放置してきた府警の責任も大だろう。

男性が被害にあった北区堂山町は、いわゆるキタの繁華街梅田に隣接しているが、高級店が集まるキタのイメージとは違い、風俗店なども集まる庶民的な歓楽街である。また、関西地区屈指のゲイタウンとしても有名だ。そんな堂山町で「組織的犯罪」が行われていたのだ。その背景が気になるのは当然だろう。

ここで注目したいのは、昨年大規模な摘発で話題になったミナミのガールズバーのぼったくり事件。半グレ集団「A」(事件後解散)が繰り広げた一連のぼったくりは高額の被害はもちろん、その暴力性も相まってマスコミの耳目を集めた。

その「A」を摘発、壊滅させたことで大阪府県は凱歌をあげたワケだが、なんということはない。半年たつか経たないかのうちに、ミナミの反対側であるキタで組織的なぼったくりグループの跋扈を許してしまったのである。

関連記事:大阪・ミナミでぼったくりグループが摘発 半グレ集団が巻き上げた被害総額は氷山の一角か

今回の事件がミナミのグループとなんらかの関係があるのか、そうじゃないかは現時点では詳らかではない。しかし、系列店を使った手法など、組織化された犯罪は、到底逮捕された個人だけで行えるものではない。さらに言えば、ミナミのケースでは背後に指定暴力団の影もあった。今回の事件でも背後関係は注視しなければならないだろう。

いずれにしても、ミナミもキタも大阪の繁華街が「危険ゾーン」に入ったことは間違いない。G20サミットの警護も大切だが、大阪府警には庶民の生活を守る最低限の仕事はしてもらいたいものだ。(文◎鈴木光司)

© TABLO