吉田鋼太郎が「死命」原作・薬丸岳から「吉田さんがピッタリ」とお墨付き

テレビ朝日系で5月19日放送のドラマスペシャル「死命~刑事のタイムリミット~」(午後9:00)の撮影現場を原作を手掛けた作家・薬丸岳氏が訪問し、主演の吉田鋼太郎と初対面を果たした。

本作は、最期まで正義の道を貫き通そうと決めた刑事・蒼井凌(吉田)と、ずっと抑え込んできた殺人衝動を解き放とうと決めた榊信一(賀来賢人)が、互いに病で余命宣告を受け、自らの死と隣り合わせの中、正反対の“使命”を見いだした男たちの壮絶な追走劇を描く。

撮影現場を訪れた薬丸氏は、主演の吉田から「ものすっごくやりづらいですね! 来てほしくないです(笑)。薬丸先生のイメージをぶち壊すんじゃないか、余計な芝居をしているんじゃないか、あるいは芝居が足りてないんじゃないか…と。原作のある作品ではそんな不安が多々よぎるんですよ」とぶっちゃけられると、「役者さんはそうだろうと僕も思っているので、現場にはいつも1回しか行かないことにしてるんですよ(笑)」と打ち明け、両者から初対面とは思えないリラックスした笑顔がこぼれた。

キャスティングについて、薬丸氏は「いつもはキャスティングを聞いても、自分の作品のイメージに合うかどうかはあまり考えない」と切り出し、「今回の蒼井に関しては、吉田さんがピッタリだなって思いました」と告白。「大丈夫ですか?」と気遣う吉田に、再度「本当にピッタリです!」と太鼓判を押した。

薬丸氏が「個人的にすごく思い入れのある作品なので、ぜひドラマ化していただきたかった」という本作。その一方で「殺人を犯す背景や動機にしても殺人の手口にしても相当ハードなので、映像化といってもドラマは絶対に無理だと思っていた」と明かす。だからこそ、今回の初ドラマ化に関しては「本当にビックリしましたね!」と語り、「警察小説で“1対1の息詰まる戦い”という物語は結構、珍しいと思いますし、それを生身の役者さんがどう演じられるかを見たい。とにかく僕自身が楽しみたいです!」と目を輝かせた。

吉田はエネルギーに満ちた声で「その思いに絶対応えます! 頑張ります!!」と宣言。後日、完成した本ドラマを一足先に鑑賞した薬丸氏は「素晴らしい!」と感動。本作で描かれる“魂を揺さぶる世界”は、原作者のお墨付きを得ることができた。

物語はデイトレーダーの榊信一(賀来)と、幼なじみで元恋人の山口澄乃(蓮佛美沙子)ら、学生時代のボランティア仲間たちが再会するところから始まる。今や豪華な生活を送る榊には羨望(せんぼう)のまなざしが注がれるが、実はその裏で、彼は想像を絶する人生の局面に直面していた。病で余命宣告を受けた榊は、ひそかにこれまで抑え込んでいた“殺人衝動”を解き放とうと決心していたのだ。翌日、若い女性・岡本真紀が絞殺体となって発見され、警視庁捜査一課の刑事・蒼井凌(吉田)は所轄の刑事・矢部知樹(中尾明慶)と組み捜査を開始。人知れず3年前の病が再発していた蒼井は体調不良を覚えながらも捜査にまい進する。

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