邑久光明園創立110周年で式典 差別や偏見のない社会実現を 

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差別や偏見のない未来に向け、誓いを新たにした邑久光明園の創立110周年式典

 国立ハンセン病療養所・邑久光明園(瀬戸内市邑久町虫明)の創立110周年式典が14日、同園で開かれた。入所者や職員、同園がある長島対岸の地区住民ら約80人が出席し、国の誤った隔離政策によって引き起こされた人権侵害を教訓として語り継ぎ、差別や偏見のない社会を実現していくことを誓った。

 入所者自治会の屋猛司会長は「(同園が目指す)療養所の世界文化遺産登録の運動などを通じてハンセン病問題の啓発に努めるとともに、入所者一人一人が『生きていて良かった』と感じ、人生を全うできる支援をお願いする」とあいさつ。青木美憲園長は「被害の回復を図り、入所者が心豊かに過ごせるよう看護・介護に心を尽くす」と述べた。

 同園でボランティアする3団体1人への感謝状贈呈もあった。

 光明園は1909年、大阪府川北村外島(現大阪市西淀川区)に同府など2府10県が連合府県立外島保養院として設立。34年の室戸台風で壊滅し、38年に現在地で再建され、光明園に改称した。戦時中に1200人近くいた入所者は14日現在、86人に減少。平均年齢は85.9歳となっている。