映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でタイムマシンになったデロリアン

ゴールデン旧車倶楽部

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■未来感たっぷりのスタイルは、まるでタイムスリップしてきたかのよう
・モデル名 :DMC-12
・世代/形式:-
・メーカー名:デロリアン・モーター・カンパニー
・時期   :1981~1982
・製造台数 :8,583台
・撮影   :フレンチブルーミーティング(2010)

1.21ジゴワットの電力があれば、過去にも行ける・・・かも?

デロリアンと聞いて誰もが想像するのが1985年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに出てきた、タイムマシンに改造されたデロリアンでしょう。

本家本元のデロリアンより、タイムマシンのデロリアンのほうが有名だという珍しいクルマでした。正式名称デロリアンDMC-12は、DMC(デロリアン・モーター・カンパニー)が、1981年から1982年にかけて発売したモデルで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公開前に販売は終了していました。

デロリアンは、イタルデザイン社のジウジアーロがデザインを担当し、シャシーはコーリン・チャップマン時代のロータス社が開発したバックボーンフレーム構造。

アウターパネルは、メンテナンスフリーを目指し、無塗装でヘアライン加工を施したステンレス製にし、ガルウイングドアを採用。2ドアクーペのスーパーカーと呼んでもいい特異なエクステリアデザインでした。

ボディサイズは全長×全幅×全高4267×1990×1140mm、ホイールベース2408mm。重たいステンレススティール製ボディにもかかわらず車両重量は1233kgに抑えられています。これはモノコック構造ではなくバックボーンフレームを採用した効果と思われます。

しかし、パワートレインはプジョー、ルノー、ボルボの3社共同開発によるV型6気筒のSOHC2849ccのPRV型ユニットで、最高出力は北米モデルで最高出力135ps/5500rpm、最大トルク22.45kg.m/2750rpmと、ファミリーカーなみの動力性能でしかありませんでした。

これは、当時の米国マスキー法(大気浄化法改正法)の排ガス規制をクリアするためと、オイルショックの影響から、燃費の悪いエンジンは避けたと言われています。

このエンジンをバックボーンフレーム後端に搭載して後輪を駆動する、いわゆるRR(リアエンジン+リアドライブ)方式を採用していました。組み合わせたトランスミッションは5速マニュアルのみでした。

スピードメーターも140km/hまでしか刻まれていないためか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では140km/h出すと、タイムトラベルできるという設定にしたのかもしれません。

デロリアン以上に興味深いのが、DMCを創設したジョン・ザカリー・デロリアン氏の生涯です。デロリアンは自動車都市のデトロイトで生まれ、クライスラー工業大学を卒業し、そのままクライスラーで働く予定だったものの「個人を忘れ、会社に適応せよ」というクライスラー社の方針に疑問を感じ、パッカードの研究開発部門に就職するのでした。

その後、GM(ゼネラル・モーターズ)にヘッドハンティングされ、ポンティアックGTOなどの数々の名車を生み出し、ついには最年少でGMポンティアック部門の副社長に昇りつめるのです。

しかし保守的な社風に合わず、また夢のスポーツカーを作りたいという信念からGMを退社して、1975年にDMCを設立することになります。イギリスからの資金援助もあり、工場は北アイルランドのベルファスト郊外に新たに建設。

会社の国籍は米国ながら、開発と生産は英国。そしてデザインはイタリアという極めて国際的なクルマとなったDMC-12は、発売当初は好調な売れ行きだったのですが、品質低下と2万5000ドルという高価格、非力なエンジンなどから不人気となり、さらにデロリアンがコカイン密輸の容疑をかけられたことから、DMCは倒産してしまいます。

その後、デロリアンの密輸容疑は晴れたものの、会社復興もうまくいかずに、80歳の生涯を終えるのでした。

クイズ☆エンスーとらのあな

みなさんと同様に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見てデロリアンの存在を知ったという編集スタッフのひとり。映画のデロリアンに憧れて中古車を探したものの、意外と現存するデロリアンが少なく、また、パーツ供給の不安やメンテナンスに戸惑い諦めるのでした。
ならばと、モデルカーやプラモデルで我慢したものです。

【問題】

デロリアンのモデルカーやプラモデルは、ノーマルよりも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場したモデルのほうがたくさんありますね。

Part1のプルトニウムを燃料にしたモデル、Part2のバイオマス、Part3のレイルロードバージョンなどなどがあるのです。

デアゴスティーニからは「週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン」というのも発売されました。これは毎週パーツが送られてきて組み立てるもので、全部集めると総額いくらになったか知っているかな?

・約13万円
・約23万円
・約33万円

回答は「倶楽部ミーティング」の下にありますよ♪

出展:MovieClips(Youtube)

倶楽部ミーティング

会長:デロリアンはやっぱり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のイメージが強いよね。
ノーマルもスタイリッシュでカッコいいんだけど∑d(゚ェ゚d )イカス!!

IT:ステンレスボディってのは斬新ですけど、なんか家のキッチンをイメージさせますww

会長:映画1作目では燃料がプルトニウムだったんだけど、エンディング近くでMR.FUSIONというバイオマスエネルギーを使った、未来から来たデロリアンも登場したね
(ノ゚⊿゚)ノびっくり!!

IT:ああ、あれは時代を先取りしていたかも。
バナナの皮やビール(アルミ缶も入れたのは無理があるような)などの生ゴミを入れて燃料にしてましたっけ。

会長:1989年に制作された2作目では、タイムトラベルした未来は2015年だったんだけど、普通にクルマが空を飛んでたw(゚ー゚;)wワオッ!!

IT:『ブレードランナー』は2019年の設定でクルマが飛んでいましたけど、現実にはまだクルマが飛ぶ気配はないですね。

会長:『2001年宇宙の旅』では木星までの有人探査船もあって、20世紀の映画は未来に期待しすぎたのかもしれんm9(。・д・。)ビシッ

IT:そうですね、デロリアンに話を戻すと、1990年に制作した3作目のセリフで、ICチップが壊れているのを見て、ドクは「やっぱりメイド・イン・ジャパンだ」と言ったのに対して、マーティが「日本の製品は最高だぜ」と言うシーンがありましたね。

会長:あったあった!1980年代から日本製品の信頼性や先進性が認められてきたのがわかるよね。マーティが劇中でトヨタ ハイラックスをカスタマイズした「Dream Truck」に乗っていることからも、日本車がこの時代には憧れの存在でもあったんだ。

IT:最近だと、スティーヴン・スピルバーグが監督した映画『レディ・プレイヤー・ワン』でもデロリアンが登場していますね。

会長:うん、それは『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』に登場したデロリアンだね。
『マッド・マックス』のインターセプターや『ナイトライダー』のナイト2000に搭載されているAIのK.I.T.T.(キット)とか、『AKIRA』の金田のバイクも登場している。

IT:キットの声はやっぱり野島昭生さんですね。
キットの声のカーナビがあるとナイトライダー気分に浸れるんだけど。

会長:そうだけど、キットだとかなり無駄なナビゲーションが多いかも(;´Д`)

【回答】

・約23万円

「週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン」は、全130号あつめると、8分の1というビッグスケールのデロリアンが完成します。

主要部分にダイキャスト合金を使い、ガルウイングドアは開閉するだけでなく、窓も可動。ステアリングを回せばタイヤと連動し、タイヤを付け替えれば飛行形にも。ヘッドライトやスピードライトも点灯する、23万円なりの本格的なモデルカーでした。

ちなみにUSJで展示されていたバック・トゥ・ザ・フューチャー仕様のデロリアンは、オークションで約500万円という格安で落札されました。

ノーマルのデロリアンは、お台場のMEGA WEB内のヒストリーガレージで常設展示しているので、見てみてはいかがかな? ナンバープレートは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じものです!

パートI デロリアン1/24スケールプラモデル

国内ではアオシマからプラモデルも発売されていますね。おとなの事情により、写真はそのパッケージです。それにしてもデロリアン・モーター・カンパニーは空飛ぶクルマの実現を目指すというし、まだまだ目が離せない車種ですね。