中小企業の採用活動支援 長崎のIT企業「ディーエスブランド」 HPソフトに新機能追加

求人情報の入力画面(ディーエスブランド提供)

 ホームページ(HP)制作ソフトなどを手掛けるディーエスブランド(長崎県長崎市)が、人手不足に悩む中小企業の採用活動を支援しようと、新機能を開発した。新機能が加わった同社のHP作成ソフトを使って求人情報を入力すれば、米IT大手グーグルが提供する求人サイト「しごと検索」に掲載できる。企業の露出を増やし、効果的なPRを後押しする。

 帝国データバンク福岡支店によると、人手を確保できずに倒産した「人手不足倒産」は2018年に九州・沖縄地区で24件を数えた。長崎県内でも発生しており、人手確保は喫緊の課題となっている。

 グーグルの「しごと検索」は、無料で求人情報を掲載できるサービス。掲載料などの採用コストを抑え、多くの求職者の目に留まる機会が増えると期待される一方、掲載するにはプログラミングの専門的な知識が必要で、活用できない中小企業も少なくないという。

 ディーエスブランドは2016年に開発したHP開設・運営支援ソフト「おりこうブログDS」に新機能を追加し、「しごと検索」対応の採用ページを簡単に作れるようにした。専用書式に給料や職種、雇用形態などを入力すると「しごと検索」に反映される。企業側に採用ページを作る時間がない場合、同社が代わりに求職者向けの企業紹介文を書くなどの有料サービスもある。

 経団連は昨年、就職の面接の解禁日などを設定した就活ルールを21年春入社の学生から廃止することを決めた。今後、通年採用が広がる見通しだ。民間の調査では1人の新卒を採用するのに募集広告費など約50万円が必要とされ、同社は「通年採用になれば採用コストが上がる。中小企業の採用活動を後押ししていきたい」としている。

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