〝ホリエモンロケット〟将来語った堀江氏

ゴーン被告「人ごとながら心配」

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小型ロケットMOMO3号機の打ち上げが成功し、記者会見する堀江貴文さん(左)と打ち上げられる小型ロケットMOMO3号機(インターステラテクノロジズ提供)=2019年5月4日、北海道大樹町

 今月4日、民間単独で国内で初めて宇宙空間に到達できた宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」の小型ロケット「MOMO(モモ)」3号機。打ち上げ成功を受けて、同社を設立した実業家の堀江貴文氏と稲川貴大社長が15日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。これまで私財で60億円以上投資したという堀江氏は将来の民間レベルの商業ロケット、宇宙ビジネス構想への思いを率直に語った。また海外メディアから日産前会長のカルロス・ゴーン被告についてコメントを求められ、自身の考えも披露した。

(共同通信=柴田友明)

 ▽「私財60億円以上」を投資

 10連休後半の5月4日、北海道大樹町で「MOMO」3号機の打ち上げシーンや人々が抱き合って喜んだのは、まだ10日余り前のできごと。会見場に姿を見せた堀江氏と稲川社長に記者席から拍手が沸いた。

 「これまで宇宙開発は政府主導で行われてきた。最高の性能、新規の事業開発を求めて、どうしても高いロケットをつくってしまう傾向にあった。民間でのメリットは安くて宇宙に行けるロケットをつくれること。価格破壊を起こすことによって宇宙を身近にしてモノや人をたくさん送り込みたい」

 「国土の東に太平洋が広がる日本は地理的に打ち上げやすく、部品も手に入り、厳しい輸出規制もない」と、堀江氏は日本がロケット産業に向いていることを強調。大きなビジネスになりチャンスになるとして「日本政府にはお力添えをいただきたい」と訴えた。

 インターステラ社はこれまで、製造過程を可能な限り簡略化して、東京・秋葉原などで既成の部品を多く調達、工作機械も安価な中古品でそろえて経費圧縮に努めてきたことをPRしてきた。同社は今後、「MOMO」と並行して2段式ロケット「ZERO(ゼロ)」も開発、超小型衛星を軌道に投入する計画を進めている。2、3年で「ZERO」を打ち上げられれば、堀江氏はこの分野で先行している米国のスペースXやブルーオリジンなどと肩を並べられるとの目標も示した。

ロケットを手作業で完成させる「インターステラテクノロジズ」の開発者=2019年4月、北海道大樹町

 ▽「ゴーンさん追い詰められる」

 一方、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告について、堀江氏は「ぼくは検察官ではないので情報はない。有罪か無罪かも分からない」と述べた上で、日本の司法取引制度について見解を示した。

 「欧米と違って、主犯格の人は(制度を)使えないけれど、共犯の人は使える、片側だけ使える」と現行の制度について疑問を呈した。かつて衆院法務委員会に参考人として自身がその問題点を指摘したといい、「ゴーンさんは司法取引を使えず、一方的に追い詰められることになる」と述べた。さらに、裁判の長期化や厳しい判決が出ることも想定して「彼は80歳近くになってしまう、それまで気力が持つかどうか、人ごとながら心配です」と語った。

 ライブドア社長だった堀江氏は2006年、旧証券取引法違反(有価証券報告書への虚偽記載)などの疑いで東京地検特捜部に逮捕、起訴され実刑判決が11年に確定、服役した。堀江氏は著書で当時の心境や取り調べの状況などを克明に綴っている。ゴーン被告の最初の担当弁護士(大鶴基成氏、その後辞任)が当時の特捜部長だったことも話題になり、海外メディアもこの点について関心が高かったようだ。