積水化学、中期計画に基づくスマートハウス戦略を推進

積水化学工業の鉄骨系ユニット住宅「スマートパワーステーションアーバン」は4月発売

  積水化学工業住宅カンパニー(東京都港区)は、積水化学グループ中期経営計画(2017年~2019年)にもとづく太陽光発電システム(PV)を中心としたスマートハウス戦略を積極的に進めている。

 1997年から提供したPV搭載住宅は累計20万棟、2012年から開始した蓄電池とPV搭載住宅は2万棟に迫る。国が定める2020年までに注文戸建て住宅の過半数をZEHとする目標を前倒しで2017年に到達。2018年度のZEH供給率は目標の55%を大幅にクリアし73%を達成している。

 2020年以降のZEH供給率目標は80%とし、目標達成のために2000万円以下のボリュームゾーン向けに、2019年1月に木質系ユニット住宅「グランツーユーV(ファイブ)ZEHモデル」を、4月には鉄骨系ユニット住宅「スマートパワーステーションアーバン」の提供を開始。2タイプの住宅はPV標準装備モデルになっており、住宅一次取得層を意識した価格設定をしている。

 グランツーユーV(ファイブ)ZEHモデルには太陽光発電システム8.64kW(パネル・パワーコンディショナー含む)、蓄電池8.0kWh、HEMSが搭載され、3.3m2あたり65万円台から販売。スマートパワーステーションアーバンは太陽光発電システム5.76kW、蓄電池4.0kWh、HEMSが付き、3.3m2あたり62万円台から提供している。

 同社の2018年の新築戸建て着工数は、鉄骨系ユニット住宅で8280棟、木質系ユニット住宅で1920棟となり、全体として前年度比3%増で、蓄電池搭載住宅着工棟数は前年の約1.5倍に増加している。

 2000万円超の価格帯の商品では70%以上のZEH化が進んでいるが、2000万円以下価格帯の商品では、ZEH供給率は50%台。今後、PV標準装備のスマートパワーステーションアーバンによりZEH供給比率80%にすることで、80%の目標達成を目指す。

 特に木質系ユニット住宅のZEH供給率は、鉄骨系ユニット住宅と比較して低く50%以下であり、PV標準装備の「グランツーユーV(ファイブ)ZEHモデル」により、さらなるスマートハウス拡充を進めていく。

 同社は新築のみならず、リフォームにおいても積極的にスマートハウス戦略を拡大している。築15年以上のPV搭載住宅OB顧客には、パワーコンディショナーの取り換え時に蓄電池の取り付けを提案。昨今頻発する大規模災害により、蓄電システムの有用性も認識されつつあり、リフォーム工事において蓄電池の取り付けは前年比で約3倍に増加している。

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