外国人に人気の箱根で白タク行為 中国人の男を逮捕

神奈川県警

 訪日外国人に人気の箱根で、中国人観光客相手に無許可でタクシー営業(白タク行為)をしたとして、県警交通捜査課と外事課、小田原署は15日、道路運送法違反の疑いで、中国籍で自称アルバイトの男(32)=千葉県鎌ケ谷市=を逮捕した。急増する訪日外国人観光客をターゲットにした外国人の白タク行為を県警が摘発したのは初めてという。

 箱根町では、白タク行為が横行しているとして、町議会が昨年12月、対策強化を求める意見書を可決。運送事業者をはじめ、地元経済への悪影響が懸念されており、県警が警戒を強めていた。

 逮捕容疑は、14日、国土交通相の許可なしに自家用車に観光客の中国人男性(58)を乗せ、箱根町仙石原の駐車場から同町二ノ平の宿泊施設までの約7キロを有償で運んだ、としている。調べに対し、「白タク行為をしたのは間違いない」と容疑を認めている。

 県警によると、男性が日本で観光する際のドライバー探しを在日中国人の友人に依頼したところ、同容疑者が引き受けたという。白タク行為を警戒していた捜査員が、男性を乗せた同容疑者の自家用車を追跡。事情を聴いたところ、違法行為が発覚した。

 県警によると、訪日外国人の増加を背景に、ここ数年、箱根などで主に在日中国人が中国から来た観光客を違法に運送するケースが目立つという。言葉が通じることが横行の背景にあるとみられるが、捜査幹部は「旅客運送に必要な免許を持たないなど、安全面でも極めて問題が大きい。県内の観光地で引き続き目を光らせていく」としている。

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