最終章第5話「ゲーム・オブ・スローンズ」100%予測不可能だったありえない展開!

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 残すところ、あと1話のみ。いよいよ最後が近づいて、主要登場人物がひとり、またひとりと姿を消していく。なのに、そんな中にもサプライズが! まさかあのキャラがあんなことを!?(平沢薫)

※ご注意 なおこのコンテンツは「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章について、ネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。

ゲーム・オブ・スローンズの魅力 連載:第14回

<これから観る方向け:ネタバレなし>いよいよクライマックスに突入!ミゲル・サポチニク監督が本領発揮!

ジョン・スノーはラニスター軍との戦いの前に何を思うのか?「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 前回までのストーリーからわかっていた通り、ついにデナーリス(エミリア・クラーク)対サーセイ(レナ・ヘディ)の戦いが始まり、いよいよドラマはクライマックスに突入。さまざまなドラマが起きるが、そんな緊迫感の中でも「おお!」と目を奪われずにはいられない映像美の光景が出現して、「ゲーム・オブ・スローンズ」という作品の素晴らしさを再確認させてくれる。

不敵な笑みを浮かべるサーセイ。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 それもそのはず、監督は、今シーズン第3話「長き夜」に続いて手がけるミゲル・サポチニク。シーズン6の名エピソード「落とし子の戦い」でエミー賞監督賞を受賞した監督だけに、迫力のアクション演出を期待してしまうが、今回もその期待を裏切らない。「長き夜」のバトルは夜間だったが、今回は昼間。飛び散る血しぶきが、空中で一瞬描く図形の美しさは、この監督の面目躍如。しかも彼の手腕が発揮される場所には、サプライズもある。

ジョンに進言するヴァリス。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 そして、脚本は前回と同じ、この番組のクリエイター・コンビ、デヴィッド・ベニオフD・B・ワイス。このシーズンの脚本は、第3話から最後まで全てこの2人が手がけ、彼らがこれまで描いてきた壮大な物語を一つの終結点に導いていく

悲しみと孤独をかみしめるデナーリス。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 放映時間は前回と同じ78分。サプライズあり、感動あり、涙ありの濃密な78分間だ。

<もう観ちゃった方向け:ネタバレあり>デナーリスがまさかの蛮行!?どこまでもサプライズが待っている!

サーセイ軍を前に攻撃のタイミングをうかがうジョンたち。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 やっぱりスゴイ。いつも予想を裏切る展開をしてくれて、しかもその展開に納得がいく。しかもドラマは緊迫しているのに、それを描く映像美も素晴らしいのだ。

ユーロンの海軍を攻撃するドラゴン。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 まずもっとも大きなサプライズは、ドラゴンの女王デナーリスが王都を焼き払ったことだろう。しかし、振り返ればここに至る道筋は見えてくる。彼女の味方だったジョラー(イアン・グレン)とミッサンディ(ナタリー・エマニュエル)が次々に死に、周囲はジョン(キット・ハリントン)の支持者ばかりで孤独を痛感していたところ、今回はジョンが彼女の願いに反してサンサ(ソフィー・ターナー)に出生の秘密を話したことを知り、さらに彼とは恋人に戻れないこともわかったのだから。

出生の秘密をサンサらに話したことでジョンとデナーリスの仲は……?「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 デナーリスのそれらの痛みが怒りとなってドラゴンの炎と化し、王都とその住民たちを焼き尽くす。そして、その映像が美しい。ドラゴンが王都に落とす影。炎に焼かれていく街。それを俯瞰(ふかん)で描く広大な風景には圧倒されるのみ

穢れなき軍団グレイ・ワームを先頭に王都に進軍するジョンたち。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 そして、もうひとつのサプライズは、アクション演出の見どころが、戦闘ではなく、崩壊する市街地の混乱状況だったこと。ユーロン(ピルー・アスベック)の海軍も傭兵軍団もあっという間にドラゴンに焼かれてしまう。城下での穢れなき軍団とラニスター軍の戦闘はあるが、それよりもドラゴンに焼かれて崩れ落ちる建造物、市民を襲う兵士たち、その中を逃げ惑う人々の描写が圧巻。

王都を焼くドラゴン。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 その混乱がリアルで迫力があるだけでなく、人間ドラマの要素も備えているのも素晴らしいところ。アリア(メイジー・ウィリアムズ)と名もなき避難民母娘のエピソードがある。幼い子供がなすすべもなくぼうぜんとするその光景を見ているという光景が何度もある。そしてジョンが市民に乱暴する兵士を止めようとして、それが自分の軍の兵士だと知るが、攻撃してくるので剣で刺すという、苦い場面もしっかり描かれるのが「ゲーム・オブ・スローンズ」らしい。

崩壊する王都を逃げ惑うアリア。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 そして、ヴァリス(コンリース・ヒル)があっけなく処刑されるのも、ユーロンとジェイミー(ニコライ・コスター=ワルドー)が戦うのも、サプライズではないだろうか。

心を通わせるアリアとハウンド。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 その一方で、今回も感動的なシーンが続出。何しろ、ドラマの終わりが近づいて“これが最後”というシーンが多い。まず、ティリオン(ピーター・ディンクレイジ)とジェイミーの、互いにもう会えないだろうと意識しての会話。ティリオンが彼らしくないストレートさで、兄への感謝を口にする。彼が声を出して泣くのは全シーズン中、これが初めてだろう。そして、アリアとハウンド(ロリー・マッキャン)の別れ。アリアはハウンドの言葉によって復讐よりも生きることを選び、初めて彼を本名で呼び、感謝を告げる。

やはりジェイミーはサーセイのことを愛している。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

 また、ジェイミーとサーセイの最後も感動的。ジェイミーはサーセイを逃がそうとするが、城の地下出口ががれきでふさがれているのを見て彼女を抱きしめ「他のことはどうでもいい。大切なのは俺たちだ」と言い、そんな2人の上に城が崩れ落ちてくる。彼はシーズン5で、相棒ブロン(ジェローム・フリン)に理想の死に方を聞かれて「愛する人の腕の中で」と答え、ブロンに「相手もそれを望んでるか?」とツッコまれていたが、その望みを果たしたことになる。

ハウンドと兄マウンテンの決着は……?「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 最後といえば、ハウンドとマウンテン(ハフソル・ユリウス・ビョルンソン)の宿命の兄弟対決も。このシーンの映像は、まるで神話を描いた絵画のよう。塔の階段で戦う2人、その背後の壁は崩れており、そこから見える空をドラゴンが炎を吐きながら飛んでいく。ファンが待ち望んできた戦いが、その期待に応える映像で描かれる。

これから女王としてどんな行動をとるのか?デナーリス。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Courtesy of HBO

 それにしても予測がつかないのが、今後の展開。デナーリスの行動はどんな余波を招くのか。ジョンは、ティリオンは、今後もデナーリスの味方なのか。泣いても笑っても、次回は最終回。きっとまた驚くような展開が待っているのに違いない。

<今回の名セリフ>

ティリオンが唯一信頼していた兄ジェイミーとの別れは感動。「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章より - Photo: Helen Sloan/HBO

「お前だけが、俺を怪物扱いしなかった」 ——ティリオンがジェイミーに

 捕虜になった兄ジェイミーを逃がそうとするティリオンは、お互いにもう会えないことを覚悟していて、彼と最後の言葉を交わす。「お前のおかげで、幼少時代を生き抜くことができた」と言い、続けて言うのがこの言葉。いつもは皮肉な軽口の多いティリオンが、この率直さ。このあと兄弟が抱き合って泣く姿も胸に残る。

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」はBS10スターチャンネルにて4月15日より<世界同時放送>

「ゲーム・オブ・スローンズ」は、スターチャンネルオンデマンドHuluAmazonプライム・ビデオなどで視聴可能