被爆の悲惨さ 世界へ発信 第22代高校生平和大使 長崎県内選出3人が抱負

第22代高校生平和大使に選ばれた(左から)内山さん、田平さん、橋田さん=長崎市役所

 スイス・ジュネーブの国連欧州本部に核兵器廃絶を求める署名を届けている高校生平和大使の派遣委員会は15日、第22代高校生平和大使のうち、長崎県内から選出した3人を発表した。3人は長崎市役所で会見し、それぞれ抱負を語った。

 選出されたのは、鎮西学院高2年の内山洸士郎さん(16)、県立長崎北陽台高2年の田平彩乃さん(16)、活水高2年の橋田晏衣(あい)さん(16)。田平さんと橋田さんは被爆3世。

 会見で内山さんは「被爆者の高齢化が進み、悲惨な過去が忘れられることが一番恐ろしい。忘れられないように世界に発信していかなければならない」と語った。

 祖母が被爆者の田平さんは「核兵器が二度と使われてはならないと訴え、核兵器廃絶の運動につなげたい」と意気込んだ。祖母と曽祖母が被爆者の橋田さんは「若者の平和への思いがだんだん少なくなっている。若者に平和について考えてもらえるように活動していきたい」と決意を述べた。

 平和大使は1998年から国連機関に派遣され、これまでに178万5688筆分の署名を提出している。第22代大使の選考会は15都道府県で順次実施し、6月上旬までに計23人を選出する予定。

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