浜矩子教授「“富国強兵”のための消費税の増税には反対です」

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テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています! そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!

■「増税で軍備が増強される」浜矩子・同志社大大学院教授

「GDP(国内総生産)に対して、借金が2.5倍もある日本の財政状況は、立て直す必要があります。いずれ消費税の増税はやむを得ないと思いますが、安倍政権での増税には強く反対します」

経済学者で、同志社大学大学院教授の浜矩子さんは語気を強める。

「安倍首相は、ことあるごとに『強い日本を取り戻す』と発言しています。たとえば、’15年に“アベノミクスと外交、安全保障政策は表裏一体”と、経済を強くして、国防費を増やすという主旨の発言もしています」

昨年9月、トランプ大統領は安倍総理との会談後に「日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と発言。その後、1機100億~150億円もするF35戦闘機を、アメリカから105機も購入する予定であることが明らかになった。

「世のため、人のための増税なら理解できますが、私には、安倍首相は“富国強兵”を目指しているとしか思えません」

今年10月に幼児教育・保育無償化が始まるが、これも消費税の増税を見越したものだ。

「もともと社会保障と税の一体改革のために増税するといわれていたのに、教育無償化することに目的が広がってしまった」

子育て世帯にとってはうれしいことだが、懸念があるという。

「私は、タダより怖いものはないと思っています。政府がより教育に干渉し、森友学園のように、教育勅語を暗記させるような教育が全国に広がることを警戒します。このような“21世紀版大日本帝国”を目論んでいるとしかみえない現政権による増税には反対です」

だが一方で、日本の財政への懸念もある。

「不測の事態に陥ったとき、国民や企業をレスキューするのが、国の役割です。そのためにわれわれは税金を払っているのに、現状では、むしろ国が苦しいからといって、国民がレスキューを強いられる。こんなばかな話はありません。本来の役割を果たせるような財政に立て直すことが急務です」

その一つの方法が、消費増税ではあるが、一定の“条件”がなければならないという。

「同時進行的に、お金のあるところから税金を集めることです。たとえば個人所得税率の上限は、もともと75%あったのが、今や45%に引き下げられています。増税とともに軽減税率をするのであれば、“重増税率”もあるべきです。明らかに富裕層しか買わないような物品には80%、90%の税率をかけてもいいでしょう。一方、食材などの生活必需品などは0%にするなど、強いグラデーションを付けることが必要だと考えています」