ミラ・ジョボビッチさんが中絶体験告白した理由

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太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局、47NEWS編集長などを経て2019年10月より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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ミラ・ジョボビッチさん(UPI=共同)

 旧ソ連ウクライナ・キエフ出身の米女優で、映画「フィフス・エレメント」や「バイオハザード」シリーズなどに出演したミラ・ジョボビッチさん(43)と言えば、日本で最も有名なウクライナ出身者の一人だろう。そのジョボビッチさんが16日までに、インスタグラムで自らの医療上の理由からの中絶体験を公表した。 インスタには17万近い「いいね」が付いている。

 南部ジョージア州で先週、胎児の心音を聞き取れるようになって以降(早ければ妊娠6週間)の中絶について、強姦による妊娠を含め禁ずる法律施行が決まったことに抗議し、明らかにしたもので、「本当にこの経験を公表したくはなかったけれど、(妊娠中絶禁止は)大きな問題なので黙っていることはできなかった」と心境を綴っている。 

 ジョボビッチさんは2年前に東ヨーロッパのある国で映画撮影中、妊娠4か月半の時期に緊急の中絶措置を受けたという。どのような病気などがあったのかは明らかにしていない。

  「人生の中で最も恐ろしい経験」で「今も悪夢を見る」とした上で、一時は仕事を休み、何か月も人との交流を避け、うつ状態に陥るなどして、園芸やジムに通うことで気を紛らわそうとしたものの、もう少しで抗うつ剤の処方を受けるところまで来たとのつらい体験を告白。 

 その上で「中絶は悪夢。どんな女性も受けたいなど思わない。だけど、もし必要なら、安全な中絶を受けられる権利が確保されるよう闘わなくてはならない」と訴えている。 

 ジョボビッチさんによると、ジョージア州以外にも全米でオハイオ、ミシシッピ、ケンタッキー、アイオワ、ノースダコタの5州でも、同様の妊娠中絶を禁ずる法律が成立、または成立に向けた動きがあるという。妊娠中絶禁止はキリスト教右派や保守派が運動を進めており、来年の大統領選で主要な争点となるのは必至の情勢だ。 

 ジョボビッチさんはセルビア人の父とロシア人の母との間にキエフで生まれ、その後米国に移住。モデルや女優として成功した。私生活では2度の離婚を経て、バイオハザードの監督ポール・W・S・アンダーソンさんと結婚、2人の娘がいる。 (共同通信=太田清)