映画『ニューヨーク公共図書館』巨匠フレデリック・ワイズマン監督より最新スカイプ・インタビュー到着!「公共図書館には、階級も人種も民族も性別も問わず、たくさんの人間が集まってくる。」

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ニューヨーク有数の人気観光スポットであり、世界中の図書館員の憧れであるニューヨーク公共図書館の、観光客には決して入れない舞台裏に、観客を案内してくれる、ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンの『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』が5月18日(土)より、東京・岩波ホールを皮切りに全国で公開となる。

2016年にアカデミー名誉賞も受賞しているワイズマン監督は1930年1月1日生まれの89歳。クリント・イーストウッドやジャン=リュック・ゴダールと同い年の生ける伝説。この度、日本公開を前に、スカイプ・インタビューが到着した。

監督インタビュー

──監督はご自身が音声を担当し、現場では機材を背負って歩き回っていると聞きますが、素晴らしい体力ですね。

ワイズマン監督:毎朝40分、バイク(自転車)に乗るという習慣をずっと続けているからね。撮影クルーは、私が音声で、あとはカメラマンとアシスタントの3人だけだ。自分に合っている仕事だから、大変とは思わないよ。

──なぜニューヨーク公共図書館を撮ろうと思ったのでしょうか?

ワイズマン監督:昔から「公共」の図書館が好きだった。公共図書館には、階級も人種も民族も性別も問わず、たくさんの人間が集まってくる。そうした人々に分け隔てなくサービスを提供する施設だ。私はこれまでも多くの施設を題材に映画をつくってきたが、公共図書館は、アメリカの精神の最良のものを表している施設のひとつだと思うよ。ニューヨーク公共図書館を選んだのは、行ったことはなかったが、42丁目にある素晴らしい本館のことは知っていたし、世界有数の図書館と称されるニューヨーク公共図書館に興味があったからね。

──いつも事前にリサーチはせず、撮影しながら発見していくと言っていますが、今回も同様ですか?

ワイズマン監督:これまでと同じやり方で事前にリサーチはしなかった。本館や、グリニッジヴィレッジ、スタテン島やブロンクスの分館を見てまわったくらいだ。撮影しながら興味をもったものを撮っていくほうが、クオリティの高いものが撮れるんだ。撮影は驚きと発見の連続だった。これほど図書館の活動が広範囲に及んでいるとは思ってもいなかったからね。

──12週間の撮影と約1年の編集期間を経て完成したと聞いていますが、編集作業はどのようにすすめたのですか?

ワイズマン監督:150時間ほどの撮影素材を6〜8週間かけて全部を見て、あまり重要でないと思ったものを一時的に外して、素材を半分くらいに絞り込んだら、半年くらいかけてそれぞれのシークエンス作りをし、それから全体を構成していく。なぜこのシークエンスの後にこのシークエンスが来るのか、冒頭の10分と最後の10分はどんな関係性を持っているのかを何度も自問しながら、自分が納得できる「語り方」になっていなければ、また見直しをする。

──最も印象的な場面を教えていただけますか?

ワイズマン監督:選ぶのは難しいね。でも最後近くにハーレムの図書館のシークエンスがあるが、あそこが好きだな。自分たちの生活にいかに図書館が必要なのかを訴える住民がいて、それに耳を傾けているスタッフの姿がある。とても感動的だった。

──今後の企画は?

ワイズマン監督:次は、夏にフランスで舞台をやる。『リアリスティック・ジョーンズ(The realistic Joneses)』といういい戯曲があってね。秋にはまたドキュメンタリー映画を始めるつもりだよ。私は、舞台とドキュメンタリーが好きなんだ。

──日本では間もなく『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』が公開になります。

ワイズマン監督:幸運を祈っているよ! 映画は説明を聞くより、見なきゃわからない。たくさんの人が見てくれるといいね。

*オフィスでの写真は、配給スタッフが昨年、監督の事務所を訪れた際に撮影。