対馬産茶葉の商品開発へ 豊玉高の「郷土探究」

対馬産茶葉を使った商品作りに向け、新茶の茶摘みを体験する豊玉高の生徒ら=対馬市、大石農園

 長崎県対馬市豊玉町の県立豊玉高(中村太一校長、60人)の2年生が、対馬の特産品開発に挑戦する総合学習「郷土探究(たんきゅう)」に取り組んでいる。15日は、同市上県町の茶園「大石農園」で茶摘みなどを体験し、対馬産茶葉を使った商品作りの企画を練った。生徒が考案したお菓子などの商品は、来年3月の同校総合学習発表会で地域住民らに披露する予定。
 「郷土探究」は、ふるさとの魅力や課題を理解し、地元の資源を活用した6次産業化の可能性を探ろうと本年度から始めた。
 大石農園は、県の農業技術指導員などをしていた大石孝儀さん(69)が2010年に開業した茶園。この時季は紅茶製造に向けた茶摘みの最盛期で、15日は同校2年生の18人と教員らが訪れ、手摘みなどを体験した。農園では、大石さんらが「今年出た柔らかい芽“一芯二葉”を摘んでほしい」と指導し、生徒は茶葉の味や触感を確認しながら作業した。
 茶摘み後は、同町の公共施設「ふれあいプラザ」で、商品開発についての講義を受講。大石さんの次男で、マーケティングなどを担当している裕二郎さん(37)は「商品を売りたい層の年齢、性別、シチュエーションなどを具体的に考えることが大切」と指摘し、生徒は対馬産茶葉を使ったお菓子やせっけんを飛行機内で売るなど多彩なアイデアを出した。
 同校2年の平山輝(ひかる)さん(16)は「地元の人にも珍しがられる特産品を作りたい。お茶を使ったパイは、まだ対馬にもないのでは」と話した。

© 株式会社長崎新聞社