皇室、迎賓館でも愛用 高級食器の大倉陶園100周年展

日本の四季を彩る100の花々を描いた「百花譜」シリーズに見入る来場者たち=横浜市戸塚区の大倉陶園

 美術的価値の高い陶磁器を作り続けている大倉陶園(横浜市戸塚区)の創立100周年展が17日、同区秋葉町の本社店で始まった。皇室や迎賓館でも愛用している高級食器約300点が展示され、来場者は受け継がれてきた作品の数々に見入っていた。18日まで。

 大倉陶園は日本陶器(現・ノリタケカンパニーリミテド)や東洋陶器(現・TOTO)を設立した大倉孫兵衛と和親父子によって1919年(大正8)年5月、東京・蒲田に創業。60年に戸塚区へ移転した。色の白さ、磁器質の硬さ、肌の滑らかさを追求し、原料の調合から絵付けまで全行程を本社敷地内の工場で行っている。会場には富士屋ホテル(箱根町)が所蔵する非公開の食器を展示しているほか、記念の限定品や新作を展示販売。100種類の花を描いたディナーセット「百花譜」は特に目を引く。

 この日は工場見学ツアーも行われ、県内外から参加した約40人が絵付け工程などを見学。完成までの制作秘話などに熱心に耳を傾けていた。

 入場無料。午前10時から午後4時。問い合わせは大倉陶園電話045(811)2185。

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