月島機械と室工大が連携強化し「AI」共同研究へ

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 包括協力協定を締結している月島機械(本社東京)と室蘭工業大学は、新たにAI(人工知能)による上下水道設備などの運転最適化の共同研究に乗り出す。産業界の人手不足を背景に、生産設備の省人化や効率化のニーズに、同社の技術ノウハウと同大のAIについての研究知見の融合で応える。

 同社は、社会インフラの上下水道設備、暮らしに関わる化学・鉄鋼・食品など産業プラントの設備を製造。同大と2011年(平成23年)、人材育成の分野について包括協力協定を締結している。共同研究にも取り組んできたが、AIのニーズの高まりや、同社が日本製鋼所室蘭製作所に製造機能を移転したことも重なり、一層の提携強化を目指す。

 具体的には、同社製の生産設備の運転について、省人化や運転の効率化を図るため、同大のAI、機械学習、予測制御の知見を融合。同社が手掛けたプラントや設備のデータを大学に提供して解析。実装まで可能性を探りながら3段階で運転の最適化を図る。

 月島機械経営企画部は「大学のAIや予測制御などの研究成果、技術シーズを生かし、製造する上下水道設備や産業プラントに自動化などのプロセスを組み込み、産業界のニーズに応えたい」としている。包括協定に基づき、既に同社の一人が社会人ドクターを取得。今回の共同研究を通じて、さらなる取得や人材育成に力を入れる。

 室工大は、社会連携統括本部の傘下に、地方創生研究開発センター(CRDセンター)と地域教育・連携センターに加え、昨年10月に地域協働機器センターを新たに設置。地域協働機器センター内の六つのラボのうち、「地域協働AIラボ」が中心となり、3センターの連携で今回の共同研究を進める。同大のAI分野の知見は、既に温室栽培の設備などで企業との共同研究の実績がある。

 同大CRDセンターの吉成哲センター長は「月島機械の持つ豊富なデータやノウハウと、大学の知見という双方の持ち味が生きる取り組み」と期待し「今回を機に一層連携を強め、社会ニーズに応えるためサポートしたい」としている。
(粟島暁浩、菅原啓)