古作こぎん刺し着物の写真集刊行へ/「オモテ」と「ウラ」2冊組/おいらせ町出身の山端さん

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山端さんが刊行する青森市所蔵の古作こぎん刺し着物の写真集
故田中忠三郎さんの遺影を前に、写真集の完成を報告した山端さん(左)。右は田中さんの妻・智子さん

 2006年に閉館した青森市歴史民俗展示館「稽古館」で展示され、現在は青森市が所蔵している古作こぎん刺し着物の写真集「コギン<1>」が23日、刊行される。「オモテ」と「ウラ」の2冊組みで、県有形民俗文化財など33着の表と裏を見ることができる。著者は、おいらせ町出身で東京都在住のデザイナー山端家昌さん(36)。「繊細で大胆でもある古作こぎんのかっこよさを感じてほしい。古作をベースにした作品づくりにも生かしてもらえれば」と話している。

 学生時代から稽古館に何度も足を運び、こぎん刺しについて学んだという山端さん。こぎん刺し模様を使った斬新なデザインを発表する一方で、古作こぎんの研究を続けており、10年ほど前から図案集を作りたいと構想していたという。

 影響を受けたのは、旧川内町(現むつ市)出身の民俗学研究家で、稽古館の館長を務めた故田中忠三郎さんが、古い着物の菱(ひし)刺し模様を紹介した「南部つづれ菱刺し模様集」(1977年発行)。「忠三郎さんが伝統模様を残したからこそ、南部菱刺しは現在まで続いている。こぎん刺しも同じように記録に残したかった」と山端さん。古作こぎんの迫力と美しさを感じてもらおうと、あえて説明を省き、図案ではなく着物そのものの写真集にした。

 青森市教委文化財課の協力を得て、昨年6~11月、同市出身のカメラマン下山一人さん(61)=東京都=が、江戸後期から大正時代ごろまでに作られた300着以上を高解像度で撮影。そのうち今回は、県有形民俗文化財31点を含む33点を紹介し、布目が見えるほどの拡大写真も掲載している。今後、シリーズの続編を刊行する予定。

 山端さんは14日、青森市の田中さんの自宅を訪れ、仏前に写真集の完成を報告した。田中さんの妻・智子さん(73)は「写真がよく撮れている。若い方が一生懸命やってくれてうれしい」と話していた。

 写真集は山端さんが代表を務めるイエティワールド社から発行。2冊組みで2160円。青森市の成田本店と葛西商店、弘前市の手芸店「つきや」「しまや」のほか、ウェブサイト「kogin shop」で販売する。問い合わせは同社(メールinfo@ietyworld.com)へ。