金曜日に行われたJ1第12節、浦和レッズ対湘南ベルマーレ戦で起きた誤審問題。湘南DF杉岡大暉のシュートはゴールを割ったものの、山本雄大主審を含めた審判団はそれを認めず。
もし湘南が劇的な逆転勝利を遂げていなければ、より大きな問題になっていたかもしれない。
今回のケースと同様に明らかなゴールが認められなかった例を振り返ってみる。
2010年W杯、ドイツ対イングランド
近年のワールドカップで最も物議を醸した幻のゴール。
決勝トーナメント1回戦、イングランドがフランク・ランパードの得点で同点に追いついたはずだった。だが、ノーゴールの判定になると、結局イングランドは1-4で敗れ去ることに。これが契機となり、2014年大会からはゴールラインテクノロジーが導入された。
ウルグアイ人の副審は「自分は正しい場所にいたにもかかわらず、非常に速いシュートでちゃんと見えなかった。ハーフタイムにリプレイは見なかったが、起きたことを感じとることはできた。TVで見た時に初めて何が起きたのか分かった。ワールドカップのために長い間準備をしてきたので、非常に悲しい」とコメントしている。
2004-05プレミアリーグ22節、マンチェスター・ユナイテッド対トッテナム
プレミアリーグで伝説の幻ゴールといえばこれだろう。
終了直前、トッテナムMFペドロ・メンデスの超ロングシュートをユナイテッドGKロイ・キャロルがファンブル。 ボールは完全にゴールラインを割っていたにもかかわらず、マーク・クラッテンバーグ主審はゴールを認めず(試合は0-0で終了)。
メンデスは「完全にラインを割っていた。完全に、完全に割っていた。あんなにラインを超えていて認められなかったことなど一度もなかった。とても速く起きたのは分かる。だが、副審が正しい位置にいてゴールか否かを見てくれることを期待するだろ」と呆れていた。
一方、キャロルは後半に「おかしな事件のひとつだった」と述べている。なお、プレミアリーグにゴール判定システムが導入されたのは2013-2014シーズン。
2012-13スコットランド1部、ハイバーニアンvsハーツ
ランパードと同様のケースは2013年3月に行われたこの試合でも起きている。
ヒブスFWレイ・グリフィスが放った強烈なフリーキックは完全にゴールに入っていた。だが、ゴール判定システムがなかったこともあり、審判団は得点を認めず。
唖然としていたグリフィスはスコアレスドローに終わった試合後にこう述べた。
「相手DFと話したら、彼は『1ヤードもラインを超えていた』と言っていた。彼(レフェリー)とはいい感じに話せた。(副審の)ポジションを見たのか聞きに行ったんだ。副審は最後のディフェンダーと一緒のラインに立っていたと言われたよ。でも、彼はボックスの端(と同じライン)に立っていた」
また、ヒブス監督も怒りのコメントを残している。
「ラインに近いどころか、1ヤードは超えていた。ネットのほうが近かった。審判団が答えるために前に出るべきだろう」